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最悪死ぬことも…実際にあった命に関わる食品偽装表示

 食品、アルコール、化粧品、衣料品から住宅、建材に至るまで定期的に問題になる「偽装表示」。最近ではオーガニックシャンプーで知られるジョンマスターオーガニックの成分偽装表示が発覚したり、戦後日本の鉄鋼業界を支えた神戸製鋼の強度品質表示の偽装が明らかになった。こうした「偽装表示」はなぜ起こるのか。 ビル

最悪死亡!? 実際にあった命に関わる偽装表示

 さまざまな偽装表示やグレーゾーンの表示があるものの、「そうはいっても命に関わるような偽装じゃないし」と思っている方も多いかもしれない。だが、エスカレートした偽装表示は最悪死を招く可能性もあるのだ。過去に実際にあった、命に関わる偽装例を紹介する。 「’04年に起きた、京都の養鶏生産組合が半年前に採卵した卵5万個の製造日を偽装し出荷した事件。腹痛や下痢を訴えた消費者が続出して明るみに出ましたが、一歩間違えばサルモネラ菌による食中毒で死亡していてもおかしくありません。このような事件があった後でも、今なお賞味期限の表示しか義務づけられていないと思うと恐ろしいですね」(食品安全教育研究所代表、河岸宏和氏)
卵

※写真はイメージです

 また、アレルギー物質に関する偽装表示も、人を死に至らしめる可能性がある。 「すっかり人気が定着した米粉パンですが、実際は小麦粉、小麦由来のグルテンを混ぜて作っているものも多く、小麦アレルギーの人は注意が必要。グルテンが小麦由来だと知らずに食べてしまったり、なかには『小麦アレルギーの人のために』と記載してあるのに小麦粉が含まれていたために口にしてしまいアナフィラキシーショックを起こしたという例も報告されています。’15年以降、グルテンについては『グルテン(小麦を含む)』と表示するよう食品表示法が改正されましたが、現在はまだ経過措置期間中。また、パン店やスーパーの総菜売り場の商品は表示義務がないため『米粉パン』と書いてあってもアレルギーのある消費者は購入前に必ず売り場の人に尋ねたほうがよいでしょう」(同)  成形肉、牛脂注入肉もアレルギー誘発の可能性がある。 「スーパーでは成形肉に含まれる成分を表示する義務があるので、大豆や小麦などのアレルギー物質が含まれている場合は確認できますが、外食店で『和牛ステーキ』と偽って提供された加工肉を食べてしまったために、アレルギーを引き起こした例もあります」(同)
肉

※写真はイメージです

【河岸宏和氏】 食品安全教育研究所代表。数々の食品現場で品質管理を担当してきた。著書に『スーパーの裏側』(東洋経済新報社)、『激安食品が30年後の日本を滅ぼす!』(辰巳出版)など多数 ― [偽装表示]にダマされるな ―
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