役人はなぜ平気でデータを改ざんするのか?その不思議な生理
― 連載「佐藤優のインテリジェンス人生相談」―
“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
★相談者★匿名希望 会社員 男性 61歳
官公庁の障害者雇用率の改竄(かいざん)には驚くとともに怒りを感じます。もっとびっくりしたのは彼らはそれを恥ともせず、平気な顔をしていることです。公務員とは我々民間人とは考え方そのものがまったく別なのでしょうか?
◆佐藤優の回答
私も厚生労働省のデータ改竄に関しては、強い怒りを覚えます。しかも個人の逸脱ではなく、組織ぐるみで行われているという事実です。ロシアに「魚は頭から腐る」ということわざがありますが、霞が関(官界)は日本国家の頭脳なので、そこで深刻なトラブルが発生すると、国民にも深刻な影響を与えます。元大蔵(財務)官僚で、国土庁事務次官を務めた久保田勇夫氏は官僚の特徴についてこう述べています。
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霞ヶ関の役人について一つだけ具体的に述べておきたい。それは彼らのなかに異常にプライドが高いものがいるということである。自分のやっていることに自信があるというのは一般的に言って良いことである。だが、度が過ぎると困る。おそらく中学、高校、大学ときわめて優秀な成績で卒業し、公務員試験もそれなりによい結果を得ているからであろう。
ところが、霞ヶ関の仕事は、自らの担当する仕事の現状についての客観的観察と分析、それに基づいた望ましい政策の立案および各種の情勢をも考慮に入れたその実施、といったものである。
(中略)そこでそういう人には、若いうちにこれを教えなければならない。それは本人のためでもあるが、その行政の対象となる国民のためでもある
(『役人道入門――理想の官僚を目指して』100頁)
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霞が関の障害者雇用率の改竄に怒りを感じます
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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