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男が惚れる男のバンドBRAHMANのTOSHI-LOWに直撃「こんな浮世と離れたバンドがいるのもいいんじゃない?」

――フェスになると「楽屋でTOSHI-LOWさんに怒られた」「鬼(※)が怖いです」って若手バンドが笑いながら吹聴していたりしますよね。 (※鬼……東日本大震災以降に定着したTOSHI-LOWの異名。格闘技を習得している彼がフロアに飛び込み、ダイバーをなぎ倒しながら客の頭上で仁王立ちになる姿はまさに鬼神のようである。若手バンドマンたちはその姿に尊敬と恐れを込めて「鬼」と呼ぶ) TOSHI-LOW:完全にネタだよね。それでいいんだけど、ちゃんとイジってくれないと俺がスベったみたいになるから。西川きよしは普段と変わんないのに、後輩の芸人が面白おかしく話をするから、よけい怖くて面白いっていう存在になったわけでしょ。それはイジる側の技術でさ。だから「ちゃんとイジれよ?」とは、言ってる。 ――自分では“鬼”というネーミングは気に入ってますか? TOSHI-LOW:「えっ?」とは思うよ。悪いイメージはないけどね。キックの鬼・沢村忠、とか。ただ“復興の鬼”って言われたときは誇らしかった。 ――言いだしたのは誰なんですか? TOSHI-LOW:(「雷矢」のボーカリスト)ヤスオちゃん。震災直後で、まだ誰も動きだせないときに俺はいろんなことやりすぎてて、殴り合いの喧嘩して。そのあとに飲んだときに「命懸けてんだな、わかったわ」って言われて焼酎のボトルに“復興の鬼”って書いてくれた。そこからだからね。べつに若手に“鬼”って言われたい、今さら怖がられたいとか思ってるわけじゃないけどさ。まぁでも40代だからね、こんなもんなんだなって思う。ハタチぐらいの時は40歳のオジサンとかほんと怖かったもんね。なんで笑わないんだろうって。ただ40歳になるとわかるけど、笑ってても笑った顔になんないの。全部表情が下がって、目がずっと据わったまま。それで笑うから、そりゃ怖いわと(笑)。 ※このインタビューは1/30発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【BRAHMAN】 TOSHI-LOW(Vo)、KOHKI(G)、MAKOTO(B)、RONZI(Dr)によるパンクバンド。’95年に東京で結成され、メンバーチェンジを経て’99年に現メンバーでメジャーデビュー。以来、唯一無二のサウンドと激しさで、長年、日本のパンクシーンを牽引し続けている。 取材・文/石井恵梨子 撮影/三吉ツカサ
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週刊SPA!2/6号(1/30発売)

表紙の人/ 広瀬アリス

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梵唄-bonbai-

ブラフマンによる5年ぶりのオリジナル・アルバム。4人が「自分たちがやりたかったのは、こういうこと」と語る、激しさ、優しさ、歌心などが詰まった全12曲。東京スカパラダイスオーケストラ、細美武士、ハナレグミなどゲスト多数。トイズファクトリーから2月7日に発売

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