更新日:2022年12月30日 09:43
エンタメ

借金50億円、前科7犯…AV界の帝王・村西とおる監督の破天荒人生

人間のあくなき欲求である「エロ」は、いかにして進化を遂げてきたのか? 今日の発展に多大な影響を与えたキーパーソン達を厳選し、ここに紹介していく。
エロを変えた日本人

村西とおる氏

革命を起こした本番路線!駅弁、顔面シャワーの生みの親

「ナイスですね」のフレーズで一世を風靡した村西とおる氏。現在のAVの数々の演出を生んだパイオニアである。中でも代表的なのが“本番”だ。 「’84年にクリスタル映像を設立した当時、日活ロマンポルノの流れで前貼りを貼った疑似が中心で全然売れませんでした。こっちは裏本販売で捕まった前科者で、非合法も上等です。ただ、本番を撮ったら、『村西の撮影は強姦されるぞ!』なんて噂が出る始末でしたよ」  現在は当たり前になった駅弁、顔面シャワーを考案し、独自の名調子も含めた村西スタイルで知名度を上げ、’86年には監督を務めた黒木香主演『SMぽいの好き』が大ヒットを記録。年商は100億円を超えた。 「ただし、ちょっと派手にやりすぎてしまって、ハワイでロケ中にFBI特別捜査チームに捕まり、米国連邦裁判所から懲役370年を求刑され、拘置所で臭い飯を食わされたこともありましたね(笑)」  数多くトラブルに見舞われながらも、ダイヤモンド映像時代には松坂季実子の発掘により「巨乳ブーム」を巻き起こすなどアダルトメディアの寵児に。しかし、’94年には「空からスケベが降ってくる」を合言葉にAVの衛星放送事業に手を出すも失敗。多額の借金を背負うことに……。 「借金50億円、前科7犯。オマケに5年前には医師から『1週間以内に100%死ぬ』と宣告された心臓の病を患いました。でも結果、生きている。皆さんに伝えたいのは、『人生、死んでしまいたいときには下を見ろ! 俺がいる!』ということですよ」  今年70歳を迎え、AV撮影こそ休業中だが出版依頼も多く、さらに今秋にはドキュメント映画の公開も予定されている。 「最近はエロの講演依頼が来て中国にも頻繁に行っております。まだまだ生涯現役でございます!」  “AV界の帝王”の名を轟かせた村西とおるの破天荒ぶりは終わりそうにはない。 村西とおる (AV監督) ’49年、福島県出身。英語教材の営業マンを経て、’80年代前半に“裏本の帝王”へ。逮捕後に再起をかけクリスタル映像を設立、黒木香の『SMぽいの好き』などヒットを連発し、日本一のAV監督に。近年は執筆業にも精力的で、近著『禁断の説得術 応酬話法』が好評発売中 ― エロを変えた日本人 ―
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