更新日:2018年08月10日 15:52
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年収900万円なのに貯金ゼロ。子供の私立中合格が破たんの入口だった

―[貯金0円の恐怖]―
 3世帯に1世帯が貯金ゼロ――節約を意識し貯蓄している人たちからすると信じがたいが、日銀の金融広報中央委員会が調べた「家計の金融行動に関する世論調査」で報告されている’17年の調査結果だ。  “貯まらない家庭”にはどんな傾向があるのか? そして、貯金ができない家庭にはどんな未来が待っているのか? 実際にお宅を訪問して判明した“貯まらない家族”の特徴を紹介する。

子供たちは私立中高一貫校に。学費と学習塾代で破綻寸前!

…世帯年収900万円の実例
夏期講習

これからは子供2人分の夏期講習の費用も負担に。「費用を捻出するため、夏休みの帰省を子供たちだけで行かせて、自分ら夫婦は家に残ることも考えています」と大垣さん(※写真はイメージです)

 いまや都市部では、一般のサラリーマン家庭の子供が私立の中高一貫校に通うことは当たり前になっている。だが、パチンコホールチェーンに勤める大垣幸宏さん(仮名・47歳)のように、高い学費が家計を破綻寸前に追い込んでいるケースもある。 「年収900万円と平均より多くもらっていますが、職業的なステータスが低いこと、自分は高卒なのがずっとコンプレックスで、子供にはいい学校を出てほしいと思い、私立に通わせたんです」  長男は無事私立の中高一貫校に進学。小学5年生の次男も中学受験に向けて学習塾に通い始めたという。学費を含めた教育費だけで収入の3分の1超を占める。結果、月々の収入では不足し、家計は毎月わずかながら赤字となっている。貯金は何年もゼロ状態だ。 「超過分は夏冬のボーナスから補填していますが、住宅ローンのボーナス払いや家電などの大きな買い物、帰省費用もボーナスから払うので、年間を通して貯金はまったくできない状況です。しかもパチンコ業界は深刻な不況で、ボーナス減額の話も出ています。ボーナスに依存している我が家の家計は立ち行かなくなります」  子供の同級生は大垣さんより裕福な家が多く、妻のママ友付き合いも家計の負担になっていたとか。 「1500円のランチを普通に食べるような人たちで、それを週1とかですからね。クラス替えでバラバラになったときに付き合いを控えるようになりましたが、その程度では焼け石に水でした」
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老後の蓄えが1円たりともない
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