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男のDV被害は想像以上に多い「言葉の暴力は女性のほうが圧倒的に加害者です」

男のDV被害者は逃げ場がない……

夫婦喧嘩――被害者の男性はなぜ警察に相談しないのか? 味沢:警察に行くと、「余計に妻が逆上して殺されるんじゃないか」と思い、逃げてきただけなんですよ。そこも被害者心理なんですよね。  今の法律は実質的には暴力を振るう男から被害者である妻を保護するのが法律の仕組みなんです。そこにも根本的な問題はあるんですが、加害者は男性、被害者は女性という風に初めから位置付けられている。しかし内閣府の統計(2017年9月)を見ると、既婚男性のほぼ30%、既婚女性のほぼ20%がなんらかの暴力を振るっていることがわかります。  その結果から、フェミニストは3人に1人の妻が夫に暴力を受けていますと言うんです。それは本当なんですが、その後5人に1人の夫が妻に暴力を受けているとは言わないんですよね。最近は身体的な暴力だけじゃなくて言葉の暴力、経済的な暴力、性的なものも暴力だと、DVの対象に入っています。言葉の暴力という意味でいえば、女性のほうが圧倒的に加害者なんですよ。口がたつのは女性なんですから。 ――実際、被害が立件されるのも圧倒的に女性が被害者の場合が多いですが。 味沢:(立件される)95%は、男が加害者で、女性の加害者は5%しか出てきていません。男性は女性に被害を受けているということが恥ずかしいと思ってしまい、言えないんです。それに、もし被害者になったとしても逃げ込める場所、シェルターがないでしょ。アメリカにも1つしかなくて、日本には私のところの1つしかない。男性の被害者の受け皿がないんですよ。  それに日本では加害者に対するケアもないです。DV男は変わらないと言われるけど、それは変わるだけの支援がないから。妻に対しては「逃げろ、隠れろ、別れろ、連絡するな」といって余計に恐怖心が煽られる状況になっているのも問題ですね。今の状態では根本的な解決はしないでしょう。 ――そういう人を作らないためにはどうすればいいのか? 味沢:自分のパートナーが内にこもってしまう人であれば、相手の意見を聞く時間を取るようにしてください。自分から行動には起こせないんですから。  私のところでは、自分の気持ちをしっかりと伝えることを学んでもらっています。実際に加害者側でもこれができない人が多く、言葉の暴力を受けて、その結果手を出してしまっている人がほとんど。DVの被害・加害になる人は男女ともに厳しい家庭で育った人が多い。親の顔色を見るということを小さい頃からプログラムされているんです。それで、結婚したらパートナーの顔色を見てしまう。今は社会全体がコントロールする、される側に分かれているので、する・されるというコミュニケーションしか知らないんです。そこをカウンセリングなどでしっかり一から学んでもらっています。 ※   ※   ※  カウンセリングのほかにも、被害・加害者たちが集まって脱暴力について語り合うグループワークを行っている日本家族再生センター。DV被害は口に出さないことには救いの道はないと味沢さんは語る。女性に暴力を受けていることは決して恥ずかしいことではないということを忘れないでほしい。<取材・文/藤 文子> 「日本家族再生センター」https://jafarec.com/
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