更新日:2022年12月28日 18:19
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DV妻に耐える、男の#Metoo「家庭内のミスで反省文を書かされる」

 女性の性被害をSNSなどで告発する「#Metoo」。しかし、世の中いつでも「女が被害者、男が加害者」とは限らない。日々妻の言葉のDV、パワハラに耐える夫が世の中に溢れ、「男の#me too」とも言える例が勃発しているのだ。    警視庁によると、DV(※)の相談件数は7万2455件(平成29年)。そのうち「夫が被害者」なのは17.3%で、5年で11ポイントも急増している(※配偶者からの身体に対する暴力または生命等に対する脅迫)。  そこで、家庭という一番落ち着いて過ごせるはずの場所で、まったく安らげない、悲壮な夫の声を届けたい。

「臭い」から始まった言葉のDV

「同じことを3回繰り返したら反省文を書かされています」と語るのは、デザイン事務所の契約カメラマンとして働くM田さん(38歳)。  M田さんは5年間の交際を経て、現在、結婚6年目。5歳と2歳の2人の子宝にも恵まれ、傍から見ると“幸せな家族”といった印象を受ける。しかし、実際のところは、毎日妻からの言葉の暴力を受けているという。 「妻は3歳年下の出会った時は僕を立ててくれたり、周りの空気を読めたり、協調性があるタイプでした。だから僕の友人との飲み会にもよく当時彼女だった妻を連れて行っていましたね。気が強くなったのは結婚当初からで、1人目の出産を機に発言がオブラートに包まれなくなっていきました」  どこの家庭にでもあるような、「何度も同じことを言わさないで」、「出しっぱなしにしないで」などの妻の小言にはムカッとはするものの、ケンカになるほどではなかったそう。しかし、小言は行動にではなく、“存在”に対したものになっていく。 「最初は『臭い』と言われ、あからさまに遠くから用事などの指示を出すようになりましたね。僕は夜と朝にお風呂に入るタイプで、加齢臭はあるにしてもある程度対策をしているんですよ。イラっとしましたが、言い返すこともなく放っておきました。  そしたら、ソファの位置を固定されたんです。『この席しか座らないで』と。それに『ソファのクッションも使わないで』とも言われましたね。ソファは1人分のスペースしか許されなくて、横になりうたた寝するという至福の機会を完全に奪われました……」  臭いの指摘はどこの家庭にも少なからずあるかもしれないが、そのことによって行動範囲を指定されてしまう。さらにイラついた妻の言葉の暴力は体罰に変わっていく。
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同じことを3回言われたら反省文
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