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ZOZO前澤社長の何が、おじさんをイラつかせるのか。結局は嫉妬!?

美術品収集は、むしろ昔の実業家っぽい

 ほかには前澤社長に対し、 「美術品を集めているところが、いかにも成金っぽい趣味で鼻につく」(43歳・食品)という声もある。    でもこの批判は、完全に知識不足。明治時代〜戦前、実業家が美術品を収集するのは定番で、それを現在美術館にして公開しているケースは多い。最近の実業家は文化に無関心すぎるが、この点では前澤社長は昔の実業家っぽいともいえる。  前澤社長には、自らが設立した公益財団法人現代芸術振興財団の会長という顔もあり、現代アートの普及活動や、若手芸術家・音楽家の支援を行っている。個人でもアート作品をコレクションしており、昨年5月には、アメリカの画家であるジャン=ミシェル・バスキアの作品を約123億円で競り落とした。  さらに、昨年10月から11月にかけ、この作品をはじめとする自身のコレクション数点を、東京の展覧会で無料公開したのである。
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画像は、公益財団法人現代芸術振興財団公式サイトより

 

ZOZOはメーカーになれるか?

また、「それまでは何となく応援していたが、ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)の仕様変更のグダグダで、行く末が心配になってしまった」(41歳・商社)  といった見方をするおじさんたちもいた。 スタートトゥデイが去年11月に発表したZOZOSUIT。漫画の『GANTZ』を思わせるクールなデザインのボディースーツであり、これを着てスマートフォンとBluetooth通信をすれば瞬時に身体を採寸できてしまうというハイテクさは、世の中に驚きをもって迎えられた。  ところがZOZOSUITは、Twitterで前澤社長が
「圧倒的な速度で世界中で無料で配りまくり、体重計や体温計のように一家に一台の存在にします」

 と謳っていたのにも関わらず発送に遅延が生じ、やっと届いたときには、全身に水玉模様がついたダサいデザインに仕様変更……という、まさかの展開を辿ることになる。最初の期待値を前澤社長がググッと高めてしまっていた分、ガッカリしたユーザーは多そうだ。  ZOZOSUITで採寸してオーダースーツを売る事業は、同社が「通販サイト」から「メーカー」に飛躍しようとしているわけで、この成否で前澤社長への見方も大いに変わってくるだろう。

前澤社長の人間味を知れば、憎むに憎めない?

 とはいえ、前澤社長の大胆な言動の数々は、これまで地道に積み重ねてきた実績に裏打ちされているからこそ。  起業のノウハウは独学で身につけ、長年、経理や人事といったあらゆる業務を一人で担当していたとのこと。近年のイケイケぶりからは想像もつかないだろうが、それこそ地道に飛び込み営業だって経験しているのだとか。特に、創業当時は今ほどネット通販が浸透していなかったため、取引先の理解を得るには、泥臭いまでにファッションへの情熱を伝える必要があったに違いない。  そういう過去の苦労話までも「イラつく」と一蹴してしまえばそれまでだが、見習える部分は素直に見習ってもいいのではないだろうか。もちろん反面教師扱いしてみても構わないが、前澤社長のように堂々と“出過ぎた杭”を目指す人物は、決して侮れないはずだ。<取材・文/A4studio>
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