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なぜボクシング山根会長の暴走は許されてきたのか? 実年齢も経歴も不詳の人物…

山根会長 まさに不正の総合デパートだ。「おもてなしリスト」などの過剰接待、「奈良判定」に代表される不可解なジャッジ、アスリート助成金の不正流用、グローブなど用品の一族による独占販売……。元オリンピック代表選手ら関係者333人がアマチュアの日本ボクシング連盟を告発した問題は、山根明会長が「全部がウソ」と反撃に転じ、法的措置も示唆。対する「日本ボクシングを再興する会」も改めて会見を予告するなど、徹底抗戦の動きを見せる。ゴングが鳴らされてからというもの、フルボッコの殴り合いは激しくなる一方で、今や完全に泥仕合の様相を呈しているのだ。

日本ボクシング連盟HPより

ボクシングの実績はほぼゼロ!?


 渦中の人物・山根会長には、根本的なところで大きな疑問が残る。一体、この男は何者なのか? どうやって成り上がっていったのか? 写真週刊誌『フライデー』の記者で、『激闘 リングの覇者を目指して』(ソフトバンククリエイティブ)の著書を持つ岩崎大輔氏は「親しい関係者の間でも、正確に実像を把握している人間はほとんどいないのではないか」と首をひねる。

「学歴も不明なら、職歴も謎。プロボクサーとして数試合したのではないかという話もあるけど、公式記録には残っていない。通常、日本ボクシング連盟の会長というのは高校や大学で指導者として実績を残し、理事になり、推薦を受けてから就任するもの。山根会長の場合、そういったプロセスを一切通っていないんです。強いて言えば連盟の上部団体に国際ボクシング協会(AIBA)というオリンピックなどを統括する組織があって、そこで権力を握っていたという流れはあります。だから、指導力というよりは政治力で出世したタイプでしょうね。もっとも、どうしてAIBAで重宝されるようになったかの経緯も謎。そもそも年齢だって78歳とされているけど、77歳という説もあるくらいですし」(岩崎氏)

 力道山時代の外国人プロレスラーじゃあるまいし、このネット社会の中、そんなキナ臭い存在が許容されてきたこと自体が驚きである。そして山根会長の背後には、もうひとつダークな存在が見え隠れする。それはヤクザ組織だ。断るまでもなく「風貌や言葉遣いがヤクザ風である」ことと「裏社会と実際に繋がりがある」ことは明確に違う。が、山根会長の場合、後者だというのだ。大阪にある山口組傘下の暴力団(現在は解散)事務所に頻繁に出入りしていたというのだから、筋金入りといっていい。

「こんなデタラメな人物の暴走を、どうして今まで止められなかったのか? 結局のところ、それはアマチュアボクシングがマイナー競技だからだと思う。これが水泳やスケートのようにメダルがたくさん狙える競技だったら、もっと外部から厳しい監視の目が行き届いていたはず。あるいは野球やサッカーのように競技人口が多かったら、ここまで野放しされなかったでしょう。これまで世間的に関心がなかったジャンルなのに、一気に問題が顕在化したものだから、“どういうことなんだ!?”と大きなインパクトを与えたのです」(岩崎氏)

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