ソフトバンクの「吉野家の牛丼が無料」にも大行列
無料というパワーワードに惹かれる人が後を絶たない。ソフトバンクユーザー限定で何かが無料になる「スーパーフライデー」。このキャンペーンは定期的に行われており、今年2月には吉野家の牛丼(並)一杯が無料になった。
吉野家無料は2回目だが、開催期間になると吉野家はびっくりするほどの行列ができる。なかには1時間待ちになった店もある。
普段から吉野家を利用している人々は、このキャンペーンにコリゴリなようで……。
「ソフトバンクの牛丼一杯無料のキャンペーンは正直、いい迷惑ですよ! 牛丼一杯って380円ですよ? それに40分とか50分行列ができて、普通に食べたい人が入れないんですから。有名な“
吉野家コピペ”を地でいくんだから、勘弁してほしいです」(会社員・26才・男性)
吉野家コピペとは、20年近く前にテキストサイトに掲載され、2ちゃんねるなどの掲示板を中心にコピペで貼付けられて流行った文章。
当時、150円引きのキャンペーンを行った吉野家に客が殺到。普段は吉野家に来ないような家族連れで店内があふれかえり、常連だった投稿者が「150円やるからその席空けろ」とつづったもの。今年、吉野家のスーパーフライデーのキャンペーンにあたり、Twitterでトレンド入りした。

「あの時期になるとランチは吉野家いけないですよね。関係ないですけど、あれってバイトの人の時給据え置きなんですかね」(フリー・32才・男性)
たしかに、店側(従業員)にとっても本当にメリットがあるのかどうか、という疑問もわいてくる。
そもそも普通に働いている人だったら、平日の昼間に数時間も並ぶことなど難しいのではないか。よっぽどヒマな人をのぞいては……。それよりも、「
無料以外にも目を向けた方が良い」という意見もある。
「牛丼一杯無料って確かにお得です。ただ、あのキャンペーンに並んでいる人たちは、それ以外のお得なクーポンや割引を利用しているのかな、という素朴な疑問も生まれてきますね。たとえば、吉野家だったらアプリを登録するだけで初回のみ牛丼80円引きや、10回の来店で牛丼が1杯無料になる来店スタンプアプリ『TAMECCO』などもありました(※現在はサービス終了)。
そういった普段からお得に使えるアプリなどもあるのですが、どうも目の前の“無料”というワードだけに踊らされている気がするんですよね」(自営業・29才・男性)

ソフトバンク 10月のスーパーフライデー キービジュアル
ちなみに、ソフトバンクのスーパーフライデー、今度の10月にはサーティワンのアイスクリーム(レギュラーシングルコーン)が1つ無料になる。吉野家ほどの混雑はない気もするが…。
たしかに無料は魅力的かもしれないが、本当の意味で“お得”なのかどうか、今一度、立ち止まって考える必要がありそうだ。<取材・文/小畑マト>