パチプロから見たギャンブル依存症とは?
ギャンブル依存症と言う言葉が広く知られるようになって、10年以上の時が経った。この言葉が広く知られるようになった大きなきっかけのひとつは、いわずもがな“カジノ法案”である。しかし、言葉の伝播が加速度的に上がった背景には少なからず、カジノ以前に我が国に長く存在しているパチンコ・パチスロの問題がある。
これまで、ギャンブル依存症は依存対策、反カジノなどの人たちからは多く語られてきたが、実際にパチンコに正業として携わり、連日パチンコ・パチスロ台に向かってシノギを削るパチプロと呼ばれる人々はこのギャンブル依存症、パチンコ依存症についてどのように考えているのだろうか。そこで今回はパチプロとして一線で活躍する丈幻氏に、ギャンブル依存症、パチンコ依存症について語りおろしてもらった。
ギャンブル(パチンコ)依存症……ここ数年前から誰もが耳にすることの多くなった言葉です。テレビや新聞にも頻繁に登場し、今では国会の場でもこの単語が度々飛び交っています。そのキッカケとなったのはIR推進法、俗に言う「カジノ法案」です。この法案の進捗に呼応してパチンコ・スロットの業界(※以下パチンコ業界)は急激に各方面から叩かれるようになりました。
カジノ反対派の主張は「国民の不幸を踏み台にして経済を興すなどケシカラン!そもそもカジノ以前に、現存の巨大なギャンブル施設であるパチンコ店の問題を何とかしろ!」というようなもの。それをあたかも「正義の主張」であるかのように報道して一般大衆を扇動する大手マスコミ。それによって世論も次第に歪んだ方向に動いていると感じています。
パチンコ業界は戦後70年もの間、曖昧な法解釈の上に成り立ってきた、言わば「グレーゾーン」だらけの業界。それだけに、歴史の中でことある毎にこの業界はパチンコ反対派からさまざまな問題点を指摘され、攻撃を受けてきました。
その一つが換金問題。パチンコの営業システムは法的に賭博罪に抵触しないのか?という問題です。今回もその流れで民進党の緒方林太郎議員(当時)が2016年11月に質問主意書を2度提出。それに対する内閣の答弁は「現行の景品交換の方式は賭博罪にはあたらない」というものでした。ここで長年にわたってあやふやなままだった換金問題は、一応の決着を見ることとなります。
もう一つ、度々指摘されていることとしていわゆる「釘問題」があります。パチンコ店が遊技台の釘を日々動かしているのは違法行為ではないのか?という問題です。然るべき所(所轄の警察署)に届け出を出さずに遊技台の状態を変えるのは厳密には違法行為です。しかし現実として、パチンコは釘の微調整をしなければ営業として成り立ちません。そのため、細かい釘調整については長年にわたり黙認されていた、というのが実情なのです。この件については、パチンコ業界を管轄する警察庁主導のもと、2015年から厳しい規制、俗に言う「釘規制」の動きが段階的に起こり、今現在はパチンコ店は釘を動かすことができなくなっています。
パチンコ反対派からの大きな2つのパチンコ業界攻撃ポイントはかくして一旦の落ち着きを見せることとなります。そこで大きな攻撃ポイントとして残されたのが「パチンコ依存症問題」です。反対派の矛先がそこにほぼ一点集中となって向かうようになった背景にはそんな事情があるように私は感じています。しかし、こればかりは法解釈や規制で一朝一夕に解決のつく問題ではなく、今なお各方面でギクシャクとした論議が続いているというのが現状です。
実のところパチンコ業界は、他の公営ギャンブルの業界よりも率先してその「対策」を講じてきた業界なのですが、そのことは世間一般にはあまり知られていません。専門家による電話相談窓口の設立協力や資金援助、最近では「自己申告プログラム」の運用などがその一貫です。また、依存症者がやってしまう(と思われている)代表的な反社会行動として幼児の車内放置がありますが、それについても、予防対策として駐車場の見回りの徹底には業界をあげて取り組んでいます。そして、依存症者の回復施設にも業界団体は寄付という形で定期的に資金援助をしています。
しかしながらこの業界は今現在も「依存症を量産する温床」として、反対派や多くのマスメディアから叩かれまくっている。なぜか?

グレーな存在であるが故に叩かれるパチンコ業界の宿命
ギャンブル依存症対策には最も率先して取り組んでいる業界
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