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副業で社長になったサラリーマン。赤字レストランを年商1億円へ

「働き方改革」が叫ばれるなか、副業を解禁する企業が急増している。こうした流れを「妻子を養う責任がない自由に動ける若手社員だけの話」と、どこか他人事のように感じていないだろうか。実際には、“もう一つのサイフ”は40代以上にこそ必要なサバイバル術。副業(サブの仕事)ではなく本業と並び立つような複数の職業をもつ「複業」。会社だけに頼らず、本業が傾いたときのリスクヘッジであり、W収入で将来の安定をも目指す働き方だ。そのなかでも、寿命が延びていく「人生100年時代」では“社長”すら複業の選択肢になるという。一体どういうことなのか? 副業で社長になったサラリーマン

300万円で会社は買える。複業で「社長」を始める?

「今後は、サラリーマンの転職が活発化するのと同じように、社長の転職も珍しくなくなってきます。例えば、70歳を超える高齢者の社長が跡継ぎを探しているというケースは多く、サラリーマンでも手が出せる300万円ほどで売られている会社も珍しくありません。サラリーマンが会社を買って再生させ、大きな利益を得る事例は向こう数年でより増えるでしょう」  そう話すのは『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』の著者、日本創生投資CEOの三戸政和氏だ。彼曰く、「脱サラして起業するリスクを取るより、停滞する会社を割安で買って事業を継承したり再生させるほうがサラリーマンにとってはリスクが少なく、成功しやすい」という。  そんな三戸氏の主張を実現した元サラリーマンがいた。学生時代にアルバイトをしていたレストランを引き継ぎ、10年強で年商1億6000万円にまで再生させた齊藤健一郎さん(37歳)だ。彼は大学卒業後、大手自動車販売サイトの営業マンとして働いていた。 「もともと社長になりたいという漠然とした夢は持っていたんですが、そんな折、たまたまオーナーから会社の後継者を探しているという情報が耳に入りまして。会社を350万円程度で買ってくれる人を探しているとのことでしたが、当時貯金はゼロ。それでも社長を説得して、月10万円の返済で引き継がせてもらいました」
齊藤健一郎さん(37歳)

10年強で年商1億6000万円にまで再生させた齊藤健一郎さん(37歳)

 齊藤さんは現役サラリーマンにしてレストランの社長に就任した。だが、当時の店舗は赤字だった。
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経営正常化から店舗拡大へ
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