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グーグルやアマゾンに個人情報を握られている…データを取り戻す、注目の技術とは

クラウドに音声データを上げないAIスピーカー

 一方、ブロックチェーンを使ってGAFAから主導権を取り戻そうという企業には共通点がある。それは、パーソナルデータを個人が保存・管理し、各企業がそれを購入できる販売プラットフォームを築く試みだ。そのプラットフォーム上で、データの売買に自社発行したトークン(仮想通貨)を使おうというものが主流だ。  代表的な企業にフランスのAIスタートアップ、スニップス社がある。同社はAIスピーカー「スニップス AIR」を開発したが、同製品はアマゾン・エコーやグーグルホームのように音声データをクラウドに送信せずに端末上で保存・処理ができる。ただそうなると、音声認識AIの精度が高まらない。そこで同社はブロックチェーンを使ったプラットフォームを用意し、ユーザー側が売りたい音声データだけを提供できる仕組みを計画中だ。一方、医療分野でも注目のスタートアップがある。 スマートスピーカー「米ネブラ・ゲノミクスは、ハーバード大学の遺伝学の権威G・チャーチ教授らが設立した企業で、目標は『遺伝子データをブロックチェーンで安全に管理し、個人が企業に直接販売できるようにする』というもの。ゲノム市場ではこれまで、解析企業などが間に入り、製薬会社や医療機関に遺伝子データが販売されていたんですが、同社は“中抜き”を排し、データを直接売れる仕組みをコンセプトにしています」(米国在住の日本人エンジニア)  その他、トークンを報酬として消費者から購買データを集め、小売業者・メーカーの効率化と連携させようとしているOSADC社、正確なプロフィール提供の見返りにトークンを支払うデートアプリ「ビオラAI」、ブログや記事データを買い取る「スティーミット」など、欧米だけで少なくとも20~30サービスが続々と誕生中だ。  こうしたサービスが時代の趨勢となっていけば、パーソナルデータは社会に“分散”し、運用の透明性や個人の主体性が高まるだろう。 「日本でもエブリセンス・ジャパン社や日本データ取引所など事業者も出ており、データ取引の市場は十分にあると考えられます。データ流通促進協議会も設立され、業界ルールが構築される動きもありますので、将来、パーソナルデータをトークンで売買するサービスが出てくるかもしれません」(坂下氏) <取材・文/河 鐘基 出水鴻正(Roboteer) 図版/佐藤遥子> ― ブロックチェーンでグーグルを倒せ! ―
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