自分の個性とは「なりたい」より「やりたい」ことから見えてくる
しかし、そうした時間は愚かでも無駄でもありません。自分の個性とは異なる実らない努力を通して、人は学びを蓄積します。そして、その学びが個性を追求した時に活きてきます。
「伏すこと久しきは、飛ぶこと必ず高く、開くこと先なるは、謝すること独り早し」
中国の古典「菜根譚」の一節です。長く地上でうずくまって力を蓄えていた鳥は、いったん飛び立てば、必ず高く舞い上がります。個性が実を結ぶ花ならば、羨ましさは花を植える土壌です。その期間が長いほど、自分の個性を見つけた時に肥やしになります。私たちは迷ったり悩んだりするのを嫌います。予め答えを知って、最短ルートを取りたがります。でも、そんなことは不可能です。
サッカー選手になりたくても、野球選手の方が向いてるかもしれません。ピッチャーになりたくても、バッターの方が向いてるかもしれません。イチローのような選手になりたくても、松井のような選手の方が向いてるかかもしれません。そうした枝分かれの先に個性は見つかります。「自分はここだ」という枝先にたどり着くまでは、すべてが肥やしです。
自分ではないものになりたがるのは、人間の本性の一つです。その本性によって苦労を重ねます。しかし、その苦労は個性によって報われます。自分が魅了されているものが、「なりたい(want to be)」という羨ましさなのか、それとも「やりたい(want to do)」という個性なのか。これまでの行動を振り返ってみてください。
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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