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芥川賞作家・町屋良平が明かす「受賞後の生活」と「古市憲寿の候補作」について

 片やIT企業の役員、片や不向きを自認する営業職に従事する会社員――。今年1月、芥川賞の受賞会見の場に並び立った2人の主役は、「二足のわらじを履く若手作家」という共通点を持ちつつも、実に対照的であり、そのまま平成という時代を映しているようだった。後者の町屋良平氏の受賞作『1R1分34秒』の主人公は、考えすぎてばかりいる「勝てないボクサー」。本人もあれこれと思い悩んでしまう性分らしく、「身も心も小さき小説家」を自称する。そんな彼の言葉がすくい取ろうとしている「現代性」に迫った。

受賞会見では古市さんのことを聞かれる準備もしていました(笑)

――前作『しき』で芥川賞候補に初めて挙がった際、朝日新聞に「待ち会」の様子を密着取材されていましたよね。今回はどのような状況で待機していらっしゃったんですか。 町屋:新潮社の近くのお店で待機していたんですが、そこで「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を爆音で流してもらっていました。 ――それは選考結果を待つ緊張を吹き飛ばすためですか? 町屋:もともとは担当編集さんが、僕が受賞できなかったときのために流す心づもりでいたらしいんです。 ――「ヘッチャラ」、つまりドンマイ的な意味で?(笑) 町屋:そう。でも、待っている間にあまりに緊張がすぎてしまい、気まずい感じになっちゃったんで、編集さんが「もう流しちゃえ!」って。結果的にそれがすごくよかった。僕もドラゴンボール世代なんで、思い入れを語る準備はできています(笑)。 ――受賞後はメディアに出る機会もぐっと増えたと思いますが、生活に大きな変化はありましたか。 町屋:そんなには。ただやっぱり、これまでが本当に地味というか静かな毎日だったので、新作を書くのは今はちょっと難しいかなって。 ――まとまった時間がつくれない? 町屋:時間というよりも、頭の容量の空きを確保できないんですよね。そういう意味では古市さん(※注)ってマジですごいと思います。あれだけテレビに出ている中でよく2作も書けたなあと。しかも、面白い。 (※注)古市さん……数々の炎上発言でも知られる社会学者・古市憲寿氏。安楽死をモチーフにした『平成くん、さようなら』が今回の芥川賞候補に挙がるも落選。本人がツイッターで「がーーーーーん」と呟いたこともネットニュースに
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会見で聞かれると思ったんですが…
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