「車のナンバーは8888とかゾロ目がいい」ヤクザ流の開運伝説
牧野氏とは30年来の友人である、こちらも元暴力団員の中島豪氏(仮名・50代)もゲン担ぎを重視するひとり。
「ヤクザもんがよく腕に水晶やら宝石のブレスレットしてるでしょう。使われている石によってパワーが違うっちゅーこともあるが、アレをつけてると腕がこう太く見えますわな(笑)。あとは、勝負事の前には必ず鉄分が強い温泉を探して入ってましたね。嘘か本当かわからんが、鉄成分が刺青に効き発色が良うなる。テメエ自身の見栄えも良くなり気合が入ると……。今じゃ習慣になってしもうた」(中島氏)
他にも、仲間内のヤクザ間では不可思議なゲン担ぎに勤しむ人々が多くいたという。
「たとえば毎日、爪をピカピカに磨いているヤツがおりましたね。どんなシノギ、商いでも絶対に手は使うでしょう。『綺麗な手にはゼニが寄ってくるんや』言いよりました。商売事で言えば、電話に出るときは必ず“ご苦労様です”というヤツもおりました。子どもと遊園地で遊んでいても、仲間からの電話には“ご苦労様です”。常に仕事というか、シノギのことを考えている自分を意識させ、ビシッとするそうですわ」(同上)
そもそも「縁起担ぎ」の「縁起」が反転し「ゲン」になったとも言われている。しかもこれはヤクザの世界で使われていた「業界用語」であるという説もある。我々が日常的に使っている言葉が、実はヤクザ用語だったとすれば驚きだが、そんなワケもあってか、とにかくゲンにこだわるがあまりに、子分や家族に迷惑をかけるヤクザも存在する。
たとえば、父親が元極道だったという奈良県在住の会社員・Mさん(仮名・30代)がこう述懐する。
「勝負事の前には必ずオンナを抱くって、あんたゴルゴ13ちゃうんやから! って母親と毎回喧嘩していた。しかもパンツは全部黒のブリーフ。アソコがブラブラせず、万一汚れていてもオンナの前で恥をかかないラッキーカラーやと言うてました(笑)。親父が反面教師だったので、今もだらしない女遊びには全く興味がありません」(Mさん)
これだとゲン担ぎというより、確かに単なる女好きのダメ親父かもしれないが……。
過剰なゲン担ぎに子分や家族が迷惑することも…
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