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「車のナンバーは8888とかゾロ目がいい」ヤクザ流の開運伝説 

 関東地方在住、亡くなった旦那がヤクザだったという主婦・フミ子さん(仮名・60代)も、旦那のゲン担ぎに困り果てていたという。 「便所掃除を毎日2回必ずやるんです。本人が在宅の時はいいけど、外出している時は『トイレ掃除やったか?』と電話までかけてくる。便所が綺麗だと運が舞い込むと言って聞きませんでした」(フミ子さん)  わざわざ夫の部下がトイレ掃除のためだけに、自宅を訪ねることも多々あったのだというから、ゲン担ぎどころか、なにかに取り憑かれているようにも見えたという。 「他にも、毎年干支のグッズを大量に買い込んできて、玄関やリビング、あらゆるとこに大量に飾るんです。縁起物、その年の物を飾ることで時代に乗れるし、運気も上がると。運気が上がるどころか、正月から数十万、数百万円分も買うものだから、新年からいきなり金欠。運どころじゃなかったわね(笑)」(同上)  旦那さんは数年前に脳腫瘍で急逝したが、晩年、入院先のベットの上でも欠かさなかったのは意外なゲン担ぎだった。 「毎日、絶対に眉毛を剃っていたの。歌舞伎役者みたいにつり上がったようにね。目元に力がないと、運もツキも回ってこないというのが持論で、高倉健も勝新太郎もみんな眉がキッとしているだろうって。顔中の筋肉がたるんで目もタレ目なのに、眉毛だけが異常にとんがっていてね。看護婦さんからも笑われていたけど、最後は眉も自分で剃れなくなり私が剃ってたの。それからすぐに亡くなったわ」(同上)  ヤクザとゲン担ぎの奇妙な縁。最後はなんだか悲しい話になってしまったが、自らゲンすら担げなくなると、ヤクザとしても、男としても終わりということなのか……。<取材・文/伊原忠夫>
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