雑学

敵対的TOBの内幕。買われた70代オーナー会長がとった行動は?

 デサントに対し伊藤忠が、廣済堂に対し旧村上ファンドが敵対的TOB(株式公開買い付け)を相次いで仕掛けた。今、再び敵対的買収が増え始めている理由は何かその背景に迫った。

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TOB経験者が明かす! 舞台裏の人間模様とは?


 上場するIT企業のCFO(最高財務責任者)として、上場企業のTOBの指揮を執ったことがある中山憲一さん(仮名)は、「詳細は話せませんが……」と前置きしたうえで、国内企業同士のTOBの内幕を話してくれた。

「新規事業に進出しようと、資本業務提携から買収を視野に入れて、A社株を市場で買い進めました。大量保有報告書を提出し、私たちが買い増していることをA社が知ったタイミングで、直接会いに行きました。こちらが3人で訪問すると、老練な70代オーナー会長が出迎えてくれましたが、私たちが30~40代と若かったこともあり、『いったい誰が来たんだ?』と怪訝な顔をされていましたね(笑)」

 腹を割ってビジョンを語っていくうちに、中山さんたちは次第に打ち解け合うことができたという。

「私たちが新規事業を展開するにはA社の力が必要でした。そこで、A社に毎週行って定例ミーティングに参加したり、何度も会食を重ねて交流を深めたうえで資本業務提携を提案。すると、すんなり受け入れてもらえました。会食では高級寿司やフグ料理店などに連れて行ってもらい、かわいがってもらいました。会長は領収書をもらわず、自腹で払っていましたね」

 無事、提携が発表されたのもつかの間、そのニュースを見て怪しい人物たちが近寄ってきたという。

「ブローカーは大手証券で営業経験の長い人で、私たちに『こんな会社を買ったらどうか』とディールメイクしにやってきたのです」

 実は、中山さんはブローカーの提案で、上場企業のB社を買収したことがあるという。

「買収したB社に経営者を派遣したところ、財務内容がボロボロなのが判明した。騙された私たちはB社社長に詰め寄ったのですが『知らない』とのらりくらり。ブローカーも『あの社長が詐欺師なんじゃないか』と逆ギレ。恐らくB社社長は自社をさっさと身売りしたかったんだと思う。私たちは、ババを摑まされたんでしょうね」

<取材・文/週刊SPA!編集部>
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表紙の人/ 福山雅治

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