更新日:2019年09月23日 14:04
エンタメ

一家心中があった物件に、家族で住んでみた男の恐怖体験

悪いことが起きても「全部呪いのせいだ」

建部博――大学時代の友人を心霊物件に泊めて以来、様子がおかしくなっていたと書かれています。彼の最新情報はありますか? 「失踪してしばらく連絡取れない状態が続いたんですが、ちょっと前にLINEでつながって。メッセージを送ったら『ごめん。忙しいからまた』みたいな返事がきました」 ――部屋に泊まるほどの仲だったのに距離感ヤバいですね。事故物件に住んで家賃の安さ以外でよかったことって何でしょう。 「物好きな友達が遊びに来たがるので、集まる場にはなるかもしれないですね。地元が埼玉なので豊島マンションに住んでいた時は終電を逃した友達がよく来て、何か起こってくれないかなと思いながら泊めていました。あと、不幸が降りかかっても心霊のせいにして、勝手に納得する心の拠り所になっていた節もあります」 ――約2年前に戸建を購入したそうですが調子はどうですか。 「やはり大丈夫なのか気になって。購入前に霊能者に見てもらいました。カネもないんで小学校まで30分くらい歩く田舎の安い土地にしたんですが、大雨が降ると冠水して子供が学校に行けないくらいです。心霊とは関係なく水はけが悪くて」 ――事故物件にまた住みたいと思うことはありますか。最近は、家賃が安いなどの理由から、あえて住みたいという人も増えていると聞いたことがあります。 「夫婦喧嘩すると最近はビジネスホテルに泊まるんですが、“現実逃避の場”として安く借りられる物件が会社の近くにあればいいなとは思います。安ければ事故物件じゃなくてもいいですが。ときどき心霊系の取材をすることもあるんですが、結構もう他人事です。  ただ、事故物件に入居しようとする人って甘く見ていると思うんです。僕もですけど結果的に鬱になって、多少怖い思いもしたことを考えると後悔もあるので、甘く見過ぎずほどほどの物件をすすめたいですね」 ――鬱の病状などは変化ありましたか。 「連載が終わって元気になった気がします。ただ、書籍化が決まってからあまりいいことないんですね。僕、昨日まで超遅めのGWだったんですよ。USJとか沖縄とか色々行くところ考えていたんですが、連休初日に親戚が亡くなり、その翌日知り合いのライターさんが亡くなり、結局どこも行けず。6月には交通事故に遭い、毎回こういうこと連載していたんだなと。不幸を心霊に結びつけたがる自分がいて、ちょっと久々の感情でした」 ――いま一番不安なことは何ですか? 「とりあえず保険はめちゃめちゃ入っていますが、一番は娘がこの本に気づくことですね。嫁の浮気だなんだって知ったらショックじゃないかなと。今さら言ってもしょうがないですけど。『全部嘘だよ』って言うしかないのかな。でもしょうがないですよね、やってきたことだから。  あと、ここ数年酒の量が増え、昼から飲むようになってタチが悪くなりました。もともと酒乱ですけどカネもかかるし不安です。全部呪いのせいだと思うんですけど」  この記事が配信されてから何事もトラブルがないことを願うばかりだ。<取材・文/伊藤綾、撮影/藤井厚年>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
1
2
一家心中があった春日部の4DKに家族全員で暮らす

雑誌『裏モノJAPAN』の企画で2軒の「事故物件」で暮らした、オレと家族の身の回りに起きた出来事すべて !

おすすめ記事
ハッシュタグ