更新日:2024年06月18日 12:17
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渋谷、銀座、上野…でネズミが大量発生。一体なぜ?

ルールを守らず捨てる生ゴミがエサ場をつくる

 いわゆる“家ネズミ”と呼ばれるのは3種類。ハツカネズミは都会であまり見られないため、都内で勢力争いしているのはドブネズミとクマネズミだ。昭和の終わり頃には殺鼠剤でドブネズミはだいぶ数を減らされていたため、平成に入る頃までクマネズミの天下だったが、殺鼠剤があまり使われなくなり、再びドブネズミが台頭。今はいずれも増加の傾向にあり、東京都内のネズミ相談件数が’09年は1691件だったのに対し、’18年は2023件に増えている。  都内でも都会にネズミはすみづらいと思うかもしれないが、実際にはかなり潜んでいるらしい。 「エサ場と隠れ家があればネズミは増えます。飲食店の多い都会はエサ場に困らない。あとは隠れ家。例えば渋谷はセンター街にドブネズミが結構います。昔はハチ公前にいたのですが、隠れ家だった植え込みをコンクリートで埋められたので、今はセンター街のビルの隙間に移動しました」(谷川氏)  ドブネズミは地面に穴を掘って暮らすので土があれば隠れられる。上野や銀座界隈でもかなり潜んでいるという。そこから飲食店にゴミを漁りに行くのだろうが、最近はコンビニエンスストアにも顔を出すようになったということか? 「コンビニのネズミ被害はほとんど聞いたことがありません。厳しい衛生管理をしているはずですから。渋谷の件はかなりレアなケースです」(同)  つまりエサ場となるのは飲食店メイン。そちらの衛生管理を徹底すればネズミはいなくなるのではなかろうか? 「渋谷区では食品事業者向けの助言や指導、講習会を行っています。エサ場をつくらせない方法も教えてます。町会には殺鼠剤や粘着シートも配っています」(渋谷区生活衛生課・課長の豊田氏) ネズミ
ネズミ

もし発生しても殺鼠剤や粘着シートで駆除すれば大丈夫。ネズミのいやがる臭いを出すスプレーもある。ちなみに粘着シートの粘着力はピンキリなのでちゃんと調べてから設置を

 それでも増えるのはなぜか? 「店によって意識の違いはピンキリです。最近も池袋の飲食店ビルのゴミ集積場でネズミが大量発生しましたが、たった一店舗がゴミ捨てのルールを守らなかっただけですからね」(前出・谷川氏)  同じようなことがマンションのゴミ置き場でも起こりうるという。一人が曜日構わず生ゴミを捨てればネズミのエサ場となって大量発生。そこから配電、配管、ダクトを通って住居に侵入してくることも十分に考えられるのだ。ちなみにネットで「ドブネズミ 水洗トイレ」と検索してみてほしい。下水から排水管を泳いでトイレに顔を出すネズミもいる……。  住宅街のゴミ捨て場にルールを守らないで捨てる人がいてもネズミの大量発生には至らないだろうが、ゴミ屋敷が近くにある場合はそこから下水溝を伝ってくる可能性が高いので要注意。同じアパートにゴミを捨てない人がいる場合も天井を伝ってネズミが発生する可能性大だ。部屋を借りるときに風呂場の点検口から天井をのぞき見て、ネズミの糞があるかどうか確認することをオススメする。  それより何より、ゴミを溜めないことが肝要。エサ場じゃなければネズミは決してやってこない!
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大量発生するネズミの緊急対処法とは?
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表紙の人/ 松本穂香

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