更新日:2023年04月18日 11:33
カーライフ

イヴォーク、アウディ…新型と旧型で見分けがつかないクルマが増えている理由

 クルマを買うとき、まず大事なのは予算。買えそうな価格帯のクルマの中から、乗車人数だったり、見た目だったり、性能だったりで選ぶのではないでしょうか。っていうか新車の場合、似たような価格帯のクルマは性能差もそんなにないから、もう見た目で選ぶしかないって感じ。  でも、見た目もどこが新しいのかわからないクルマが増えてきて、なにがなんだか…… オートクラブMJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi

新型になっても見分けがつかないクルマが増えているのはなぜ?

 パンパカパーン。レンジローバー・イヴォークが新型になりました!  んなこと言っても、貧乏人のみなさまとは無関係なことは百も承知の介ですが、それでもまあ、レンジローバーというブランド名を聞けば、「雲上界のSUV」くらいのイメージは沸くでしょう。  そんなレンジローバーにあって、イヴォークは一番コンパクトでお安いモデルですが、デザインは一番美しい! カーマニア的には「カッコだけで鼻血ブー!」でした。  そういう傑作のモデルチェンジは、往々にして難しい。あえて変える理由はないけれど、少しは変えないと新車効果が出ない。戦前、GMが「計画的陳腐化」というマーケティング手法を取り入れ、世界最大の自動車メーカーにのし上がりましたが、今でもその流れは死んでいない。  で、新型イヴォークはどんなだったか!?  見分けがつかん……。  カーマニアでも、どこがどう変わったか説明するのが不可能つーレベルで変わってない! これで中身はほとんど全部新しくしてるってんだから、豪気というか職人気質というか。あ、職人じゃなく芸術家ですね。芸術にマーケティングなどない! あるのは美への探求だけ! そんな感じッス。
イヴォーク

レンジローバー・イヴォーク

 運転してみると、乗り心地がとってもよくなってる! でも、その他は微小な差でした。これだったら新車に700万円出すより、7年落ちの中古車を250万円で買ったほうがダンゼンおトク! そのような計算を瞬時で弾き出すのが、われわれカーマニアであります。  同時にイヴォークは、ボディタイプが5ドアだけになった。先代は3ドアやコンバーチブルもあったけど、残念ながら消滅。開発の予定もない。実はジャガー・ランドローバー社は、中国での販売不振やブレグジットの影響で、いま業績が悪いのです。デザイン的には武士は食わねど高楊枝を貫きつつ、バリエーションは売れるモデルに集約したということか。是非もなし。
次のページ right-delta
もはやカーマニアも見分けることを放棄
1
2
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

記事一覧へ
おすすめ記事