更新日:2023年04月20日 12:21
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海外ツアー中に旅行会社が破綻したら…自力帰国に備える「旅行の必需品」

ガイドブックよりスマホを持ち歩こう!

 こういう状況でもうひとつ用意したいのが、スマートフォンである。これは現地で簡単に購入することができる。日本のスマートフォンや携帯電話は長年SIMロック端末が主流だったが、海外で流通している端末の殆どはSIMフリー。もちろん、この端末には現地入手のSIMカードを自分で挿入して使う。  スマホ自体は値の張るハイエンドモデルである必要はない。日本円で1万円程度でも充分実用に値する端末が手に入る。  無論、日本から持ってきたスマホでも海外ローミングを実行することができるし、それに越したことはない。しかしこの点もクレジットカードと同じで、そもそもスマホ自体を所有していないというツアー旅行参加者も少なからず存在する。  特に定年退職を経た中高年参加者に多いのが、「スマホはないがガイドブックは持っている」という例だ。だがそのガイドブックを見てみると、数年前に発行されたものだったりする。海外旅行経験のある知人から譲り受けたのだろうが、中には図書館から借りてきたものを持参している例すら見受けられる。  海外の情勢は日本よりも流動的で、数年前のガイドブックに取り上げられている情報が全く役に立たないということもよくある。だからこそ、リアルタイムの情報が得られるスマホを必ず所持しておくべきだ。いざという時、スマホがあるのとないのとでは安心感が全く違うことはここに明記しておきたい。

発行されなくなった「トラベラーズチェック」

 ところで、旅先で現金を入手する手段として少し前まではトラベラーズチェックというものが使われていた。  これは旅行者用の小切手で、紛失しても現地の提携先金融機関で再発行できる代物だ。ならばデビットカードなどなくても、トラベラーズチェックを持っていれば十分ではないか? と問われるかもしれない。  2019年の時点で、トラベラーズチェックを発行している金融機関は日本には存在しない。これはやはりクレジットカードとデビットカードに置き換わった結果で、トラベラーズチェックを世界で初めて発行したトーマス・クックですらも2006年にその販売を終えている。海外を旅行する上で、「クレカ嫌い」の癖は身の危険をも招いてしまうのだ。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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