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戸田恵梨香は朝ドラで15歳役。実年齢と差がありすぎな役を演じた役者たち

岡田准一:35歳のときに90代役

海賊とよばれた男

20代から90代までを、一人で演じ切った岡田。その役作りは、共演者をも驚かせたようだ。(『海賊とよばれた男 [DVD]』Sony Music Marketing inc.)

 ベストセラーとなった同名小説を映画化した『海賊とよばれた男』で、主演を務めた岡田准一は、明治から昭和という激動の時代を、全力で駆け抜けた主人公・国岡鐵造の20代から90代までを演じた。  完成記念イベント時、35歳だった岡田が90代を演じる際には、6時間もかかる特殊メイクを顔に施す必要があったとのこと。さらに、年齢差が不自然に感じられないよう、動きや声といった部分でも役作りを行っていたそうだ。  特に、映画全編の半分以上を占める60代の国岡の表現には苦心していたようで、人のいないスタジオで大声を発し、声を枯らすことで、60代らしい説得力のある声色を作っていたという。  こうした岡田の熱演に、共演者である國村隼や鈴木亮平といった俳優陣は大絶賛。國村は「60代のジジイが目の前にいた」、鈴木は「近くで見ても60歳くらいにしか見えない」と、それぞれの表現で賛辞を贈った。

安藤サクラ:32歳のときに18歳役

まんぷく

子を持つ母親でありながら、18歳を演じた安藤。優れた演技力で、視聴者を驚かせた。(『連続テレビ小説 まんぷく 完全版 ブルーレイBOX1 全3枚』NHKエンタープライズ)

 戸田と同様、実年齢と差のある役に“朝ドラ”のなかで挑戦したのが安藤サクラ。2018年10月より放送が開始されると、大反響を呼んだ『まんぷく』で彼女は、ヒロイン・福子の18歳から50代までを一人で演じて見せた。  撮影開始時の会見で、「私は32歳の子持ち」と語った安藤。彼女自身にとっても18歳の役はチャレンジだったようで、「あらかじめ『すいません』と謝らせてください」、「笑っていただければ幸いです」と、やや自虐的なコメントも残していた。  しかし、始まってみれば不安もなんのその。下だけではなく、上にも年齢が大きく離れた役を見事に体現した安藤には、SNSを中心に賛辞の声が集まった。

GACKT:45歳のときに18歳役


 今年2月に公開されると、奇天烈なストーリーで大きな話題を呼んだ映画『翔んで埼玉』。このなかで、18歳の高校生を演じていたのが、公開当時45歳のGACKTだ。  原作マンガの作者である魔夜峰央を含めた制作陣がキャスティング会議を行うなかで、アメリカ帰りの転校生・麻実麗役として名前が挙がると、全員が「なるほど」と唸ったのがGACKTだったそうだ。  高校生役というオファーに対して、一度は「即答で断った」というGACKTだが、話を聞き進めていくと、“特殊な”高校生であったことや、以前から作品のファンだった魔夜直々の指名だったこともあり、出演を受諾という。  オファーを受けた後も、「高校生ってどうなのか?」という疑念は拭いきれていなかったというGACKT。だが、「マンガ自体が、かなり無理のある設定」、「無理がもう一つぐらい増えても問題ないかな」と、納得するに至ったようだ。  ――実年齢と大きなギャップのある役柄を演じた俳優たちをご紹介してきた。さまざまな困難がありながらも、役者魂で熱演を見せた彼らのように、年齢差のあるキャラクターにチャレンジする新たな俳優の登場を、期待したいところだ。<文/後藤拓也(A4studio)>
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