更新日:2023年04月27日 10:32
スポーツ

世界一に輝いた侍ジャパンの中で存在感を放った周東佑京。その経歴は?

そのスピードで現実を越える存在に

 レギュラーシーズンの盗塁数は25を数え、試合終盤の勝負所での起用が主であり、特に成功率が.833(企画数30)と、パリーグトップの数字を残している。打率は1割台ながらも、年間を通して武器である走力でホークスの日本一に貢献した。巨人を破った日本シリーズ、最終戦となった第4戦の9回表に代走で出場するとその裏、右翼の守備につき、日本一の瞬間はグラウンド上で迎えた。その驚異的な脚力でプロ入りを果たし、支配下登録も勝ち得た今季、栄光の瞬間をその身体に染み込ませている。  周東のインパクトは終わらない。日の丸を背負い戦うプレミア12では「切り札」として呼ばれ、相応しい働きをみせた。スーパーラウンド初戦の豪州戦、1点ビハインドの7回に代走で出場すると、立て続けに2盗、3盗を決めてみせた。さらには、源田壮亮のセーフティバントで本塁に突っ込み、同点のホームを踏んだ。  スクイズプレイではなく、ボールがグラウンドに転がってからのスタートだったにも拘らず、大きくタッチをかいくぐっての帰塁。このプレーは劣勢を跳ね除けるだけでなく、相手に精神的なダメージを植え付け、逆転へチームを勢いづかせるには十分すぎる、目の覚めるような走塁だった。  駆け引きも含めた脚力、そして次の塁を狙い続ける姿勢はもはや現実を超越する個性として、ファンの脳裏に焼き付けられた。日本、そして世界を舞台に今後、周東佑京は疾走するだろう。<文/佐藤文孝>
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