更新日:2023年04月27日 10:40
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全世界のハイパワースポーツカーが絶滅寸前…その意外な理由は?

 速いクルマに憧れた世代にとって、GT-Rが終わるというのは悲しい話であります。時代の流れと言えばそれまでですが、自動運転や電気自動車など自動車そのものが大きく変わろうとしているなか、GT-Rを含め速いクルマがある時代にクルマを運転できることは幸せだなと感じました。孫が免許を取ったら、「じいじはかつてGT-Rを全開にしたことがあるぞい」と自慢します。
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NISSAN GT-R

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 木村博道=写真 Photographs by Kimura Hiromichi

GT-Rだけじゃない! ハイパワースポーツカーが絶滅危機にある理由

 今も都内のどこかで静かに暮らしておられるであろうゴーンさんが号令を発し、12年前に誕生した日産GT-R。発表当初は熱狂をもたらしたものの、その後12年間フルモデルチェンジをしてもらえず、徐々に空気のような存在になっておりました。  ところが、最新の2020年モデルに乗ってぶったまげた。GT-Rは、とてつもなくいいクルマになっていたのだ! これは絶対乗っといたほうがいい!  担当Kは「いまさらGT-Rですかあ?」と乗り気じゃなかったが、『マッハGoGoGo』みたいなカラーリングを施された、50周年記念モデル(広報車)を借りてきてくれた。
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日産GT-R50周年記念モデルは’20年3月末までの期間限定発売車。価格は1343万6500円から。最大出力570馬力の3.8リッターV6エンジンを搭載。ボディカラーはもちろん内装も専用色です

永福:どうだった? 担当K:やっぱGT-Rはラクですね~。前を走ってるクルマが勝手にどいてくれるし、アオってくるクルマもないし。このカラーリングも子供に好評でした。 永福:そういうことじゃないよ! 最新のGT-Rは乗り心地がメチャメチャいいでしょ? 担当K:コンフォートモードにすると、かなりいいですね。 永福:いやあ、メチャメチャよくなってるよ! なにせ最初は戦車みたいにガチガチだったんだから! タービンのレスポンスも猛烈によくなって、アクセルを軽く踏んだだけで超気持ちよく加速するでしょ? 担当K:そうかなあ……。GT-Rはもともと猛烈に速かったので、よくわかりません。  とにかく日産GT-Rは、モンスターとしてこの世に生を受けて12年。ついに成熟したオトナになったのです! これならデートにも使えまちゅ。まあ、オッサンなのでデートはしませんけど。  ところがこのGT-R、オトナになったとたん、その寿命が尽きる運命にあるという。’22年中には生産終了になり、後継モデルの姿も見えない。いったいナゼ? もしかして燃費が悪いから?
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燃費の問題もあるが、もっとキツいのは…
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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