更新日:2022年08月30日 23:29
カーライフ

欧米のラグジュアリークーペにはない!? レクサスのスポーツクーペは超ハイテク感とゴージャス感が味わえる名作

レクサスLFAに試乗したのが’11年のこと。V10エンジンが奏でるヤマハの管楽器のようなサウンドに感動したことを、今でも覚えております。たまに首都高で見かけると、その希少性ゆえフェラーリやランボルギーニを見かけたとき以上に高揚します。そんなレクサスから再びスーパーなクルマが登場。レクサスのおもてなし感が炸裂しました! LC500MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

レクサスの新型はGT-RやNSXよりいいネ!

 言っておくが吾輩は、フェラーリ11台、ランボルギーニ1台、その他フツーのクルマを34台乗り継いだカーマニアである。カーマニアっつーのは結局「クルマお買い物趣味」なので、クルマをどんだけ買ったか(=バカ)が勝負。それに関しては一般大衆として頂点クラスに立つと自負する。ブルネイ国王とかには負けますが(涙)。  そんな私に言わせると、数年前に限定生産されたレクサスLFAは、まるでわかってないスーパーカーだった。 LFA まず見た目があんまりカッコよくないし、フルカーボンボディを採用したことで3750万円と高価になった割に速さはそれほどでもなく、世界一なのはエンジンサウンドだけ。500台限定にしたことですぐ売り切れたが、名車と称えられることのない、希少性だけのスーパーカーに終わった。世界に冠たる世界最速&最安マシン・日産GT-Rとは比べるべくもない凡作であった。  で、今回発表されたレクサスLCは、ラグジュアリー・スポーツクーペ。価格は1300万円ほどで、ライバルはメルセデスのSLやBMW6シリーズあたり。決してスーパーカーではないが、このクラスの国産車は初めてだし、それなりにスーパーな存在ではある。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1340687
レクサスLC

LFAと違い、限定生産じゃないレクサスLCは、V8エンジン搭載のLC500が1300万円~、ハイブリッドモデルのLC500hが1350万円~。V8モデルのほうがお安くなっております

 で、私は思いました。「これは成功作だ!」と。  もちろん、SPA!のビンボー読者様がコレを買えるはずもないわけですが、なんせ毎年お国に1兆円近い税金を納めてくださっている大トヨタ様の新たなイメージリーダーカーなので、日本人としてそのデキを知っておいてもよかんべと言うことで。  レクサスLCの何がいいかというと、自分の立ち位置を理解している点だ。つまり、ブランドとしてはまだまだ超一流まではいかないレクサスに、富裕層はどんなクルマを求めているかをよくわかったうえで開発されている。  レクサスのスポーツクーペが世界最速である必要はないし、世界一ゴージャスでも意味はない。世の富裕層は、レクサスにそんな行き過ぎた気合いは求めてはいない。 LC 彼らは、適度にカッコよくて適度に快適で適度に豪華で、それでいてレクサスならではのメカニズムを持った、ライバルよりちょっとだけ値段が安いくらいのクルマを求めている(推測)。レクサスLCはそこにドンピシャなのである。
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デザイン、エンジン共に素晴らしい!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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