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ホンダ・グレイスは悲運の名車になる予感 専門誌の評価は低いけど実はイイ!

 1冊丸ごとクルマ情報の専門誌と違い、ネタが豊富な週刊SPA!でクルマ情報をお届けするのは2ページが限界なもんで、毎回厳選情報をお届けしているわけですが、今回はあえて専門誌ですら注目しないクルマを取り上げてみました。だって担当ジャーナリストもカメラマンも会うたびに大絶賛。仕方なく騙されたと思って乗ってみたところ…… オートクラブ永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

専門誌も気づかない「ホンダ・グレイスはBMWそっくり説」その真相に迫る!

 SPA!本誌モテないカーマニア軍団諸君に、私は以前から語っていた。「ホンダ・グレイスはBMW3シリーズみたいでカッコいい!」と。  グレイスは、フィットをベースにした小型セダンで、カーマニアすらほとんど注目しない、猛烈に地味な存在だ。しかし、流し撮り職人がそのグレイスで大阪までロングドライブする機会を得、「最高でした!」と報告するにいたって、ついに担当Kも重い腰を上げた……。 「みんながそんなに誉めるなら、乗ってみましょう!」(担当K)  かくして、発売からすでに5年を経た、世間的には車名すらあまり知られていない忘れられたクルマが、当コラムに登場することになりました。それも、永福ランプ所有の先代BMW3シリーズと比較するという、前代未聞の形で! 永福:どうよ! やっぱりグレイスはBMWに似てるでしょ? 担当K:部分的には似てますけど、グレイスのほうが小さいんで、ツチノコみたいな形になっちゃってるように見えるんですが……。 永福:いや、これはBMWをより凝縮したプロポーションだ。細部は、サイドのキャラクターラインやテールランプの形状、シャークフィン型アンテナの形状、すべてソックリだろ? サイドウィンドウ後端の切り欠き、これはBMW伝統の“ホフマイスターキンク”そのものだよ!
オートクラブ

グレイスとBMW 320dの似ているところをいくつか並べてみました。もっとも似ているのがサイドの造形でしょうか。サイドウィンドウ後端の切り欠き部分やサイドラインなんかはソックリです!

オートクラブ

BMW 320d

流し撮り職人(以下、職人):グレイスはタイヤが小さいのが残念ですね……。これでタイヤがもっと大きければ、BMW X4に似てると思いますよ。 永福:おっ、グレイスはBMWに似てる説に援軍が現れた! オートクラブ担当K:実は、扶桑社出入りの女子10名に2台の写真を見せたところ、「見分けがつかない」という声が多数でした。で、どっちがカッコいいか聞いたら、なんと7対3でグレイスの勝利でした! 永福:げえっ! ショック! 担当K:女子にとってはどっちでもいいみたいでしたけど。 職人:いやあ、グレイスにはホンダのレーシングスピリットが流れてますからね。Sモードにして走ると、まるでNSXみたいですよ。
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地味だけど、実はスゴイぜ! グレイス!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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