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小太りは長生きする?「内臓脂肪=悪」は間違った認識かも

「内臓脂肪=悪」は間違った認識!?

やっぱり小太りがイチバン! 確かに男性のほうが女性よりもBMI 23~26.9の人の死亡リスクが底を打つように低くなっているのがわかる。 「世間には、『太るのは悪』と考える人が多いですが、『小太りこそ健康で長生き』というのは外科の現場では一般的な考え方です。術後の経過をよくするにはどうすればいいか外科医は長年にわたって考えてきました。  その結論として言えるのは、やはり痩せている人よりも小太り気味の人のほうが、術後の体調もよく、傷の治りが早いのです。だから患者さんには『肉を避けて野菜中心に食べるなんてことをしてたらすぐに死ぬ。ちゃんと食事をして、体重を増やさないとダメですよ』と必ず説明しています」  もちろん病気になる前の段階でも、小太りは命を守ってくれる。 「人は食べないと栄養を取れずに死ぬ。当たり前のことですが、痩せている人というのは、生きるために必要な栄養が不足しています。そうすると病気への抵抗力が弱まりますから、治りも悪くなります。死亡リスクが高いのは当然でしょう。  一方、小太りの人は、病気に対する貯金をたくさん持っていると考えてください。不規則な生活の人であっても、しっかりごはんを食べて小太りになれば病気のリスクを抑えられます」  さらに、メタボの脅しとセットで語られがちな超悪玉・内臓脂肪も、健康にプラス効果をもたらすことがあるという。 「内臓脂肪は、脂肪をため込む白色脂肪細胞と、脂肪を燃焼させる褐色脂肪細胞から構成されています。実は内臓脂肪が増えると、白色脂肪細胞から動脈硬化や糖尿病を防ぐ効果のあるアディポネクチンという善玉物質が分泌されるのです。しかし、肥満状態になってしまうと、白色脂肪細胞が肥大化して数も増加し、善玉物質の分泌が減り、代わりに悪玉物質が生成されるので要注意です」  過ぎたるはおよばざるがごとし。適度な小太りを維持することが大切なのだ。
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太りにくい人は腸内環境を改善
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