更新日:2020年02月19日 16:33
デジタル

実際の成果は? ビジネスマッチングアプリの上手な使い方

「yenta」は2016年1月にローンチしたビジネス版のマッチングサービスで、多様な領域のプロフェッショナル同士をつなぐのが目的だ。筆者も2016年3月からヘビーユースし、とてもたくさんの人と出会い、密な付き合いの始まった友人も何人もいる。今回はそんな「yneta」の魅力と活用方を紹介しよう。

1日10人とのビジネスマッチングにチャレンジできる「yenta」

「yenta」アプリはiOSとAndroid向けに公開されており、基本の利用料は無料。自分のプロフィールを設定すると、1日に10人の候補が表示されるので、興味なしなら左にフリックし、興味ありなら右にフリックする。相手とお互いに興味ありにするとマッチングし、メッセージの送受信が可能になる。そこで、メッセージを送り、ランチやカフェで顔を合わせ、情報交換などを行うというものだ。

単なる営業ツールとして使われていないのか?

 マッチングアプリというと、異性との出会いといったイメージもあるが、「yenta」にはそんな雰囲気は一切ない。もしかしたら「単なる営業ツールとして使われるのではないか」という心配もあるだろう。筆者は100人以上と「yenta」を介して出会ってきたが、ごりごりの営業をかけられたことはない。それどころか話が合い、1時間では物足りないくらい盛り上がることのほうが多い。  こうした問題がないのは、ユーザーの申請を完全に審査しているから。Facebookとの連携が必要なうえ、具体的な基準などは教えてもらえなかったが、人の目できちんと確認しているのだ。  とは言え、マッチングする相手は人なので、毎回毎回理想的な出会いがあるわけではない。お互いの持つコミュニケーション能力にも左右されるし、そもそも合う合わないというのは誰にでもある。営業目的でなくても、当然ビジネスの話になるのだから、自己アピールする・されることもあるだろう。雑談から入り、楽しい会話もできたのだが、保険やコンサルの営業目的で来たんだなという人も中にはいた。筆者がメディア関係者と言うことで「記事を書いてくれ」という人も。とはいえ、このパターンは割合で言えば、とても低い。100人中、片手で足りてしまう程度だ。  逆に、トータルで考えると、例えば異業種交流会に行って名刺を交換し、何らかのつながりが生まれる確率よりも、「yenta」のほうが結果に繋がる確率は高い。「yenta」で繋がった人から、仕事をいただいたり、人を紹介してもらったりしたケースも多々ある。こちらから取材をお願いしたこともある。  実際、「yenta」での出会いからビジネスに発展することは珍しくない。筆者が以前取材した事例になるが、ナイル株式会社は新規事業となるマイカー賃貸サービス「カルモ」を立ち上げる際、「yenta」のつながりで6人を採用したうえ、主要業務の提携先までを獲得していた。驚くべき成果と言えるだろう。  興味がある人は、さっそく「yenta」に申請してみるといい。アプリを起動したら、Facebookと連携させ、自分の活動エリアや名前、職業、職歴、自己紹介を入力する。申請が通れば利用できるようになる。

Facebookと連携させる

プロフィールを登録し、利用申請を出す

 ちなみにこの申請だが、プロフィール情報が適当だとはじかれてしまう可能性がある。また、きちんと書いている人でも、何らかの理由で申請が通らないこともある。しかし、人が集まるようなこの手のグループは、とてもいい人の申請を却下してしまうリスクより、相性が良くない人を迎え入れてしまう方のリスクのほうが大きい。大手の入社面接が厳しいのと同じ理由なので、そこは理解しておこう。もちろん、通らない場合、プロフィールを充実させて再チャレンジすることは可能だ。  審査が通れば、「yenta」をスタートできる。1日に10人の候補が表示されるので、プロフィールを見て、興味があるかどうかを判断し、左右にフリックする。プロフィールをきちんと書いていないと、左にフリックせざるを得ない。会社名や年齢、肩書きで話し合いそうだなと思っていても、「○○社のCTOです」の一言しかないと、営業などの目的で、全部興味ありにする人以外はどうしようもない。

「yenta」をビジネスで上手に使うコツは?

 筆者の場合は、年齢が30歳以上でプロフィールが充実し、営業っぽさがなく採用希望でもなく、お酒が好きそうな人が希望なので、10人中3~4人くらいしか興味ありにしかできない。

興味が無ければ左にフリック

興味があれば右にフリック

フリックした結果が表示される。マッチングの結果はその日の20時に発表される

 マッチングすると、メッセージを送受信できるようになる。興味のある人に連絡してもいいし、連絡を待ってもいい。チャットはシンプルなので迷わず使えるだろう。とは言え、画像が送信できないのは不便。せめて、スマホから写真を送れるようにして欲しいところだ。  後は、人と人とのコミュニケーション。メッセージをやりとりして、会いたい場合は場所と時間を決めればいい。その際、携帯電話番号もしくはメールアドレスなどを交換しておくといい。過去に、会う直前に相手のスマホが壊れてしまい、「yenta」でしかやりとりしていなかったので、合流するのに苦労苦労したことがある。  また、メッセージでやりとりしている時に、コミュニケーションを一方的に打ち切ったり、確定したアポイントをドタキャンして連絡が取れなくなる人がいる。会社名と肩書き、名前と顔のアイコンまで晒しておいて常識のないことをするのは本当に避けたほうがいいだろう。

マッチングしたらメッセージを送受信できる

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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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