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サブスクを解約できないユーザーをカモにする悪質アプリの対処法

 セキュリティ企業のアバストが、ブログで「フリースウェアアプリがAndroidとiOSで4億ドル以上を稼いだ方法(How fleeceware apps have earned over $400 million on Android and iOS)」という記事を公開した。  記事によると、AppStoreとGooglePlayストアで、204個のフリースウェアアプリを発見したというのだ。これらのダウンロード数は10億回を超え、収益はなんと430億円以上をたたき出しているそうだ。
フリースウェア

アバストのブログ記事

 そもそも「フリースウェア」とは何なのか?

サブスクを解約できないユーザーがカモに

 これは無料でインストールできるアプリのことで、最初は無料トライアルで使わせ、一定期間経過後からサブスクリプションで課金していくのが特徴だ。本当に価値のある機能を提供してユーザーを増やそうとするのではなく、半ば詐欺のような手法でひっかけて、サブスクリプションを解約できないユーザーをカモにすしているのだ。  一般的なビジネスアプリの月間数百円といったレベルの課金ではない。毎週数千円の課金で年間40万円ほどになるケースもある。  ほとんどの場合、フリースウェアアプリには、無料もしくは安価な類似アプリが存在する。そのため、最初からフリースウェアとわかっているなら、わざわざ高額な費用を払おうとするユーザーはいないだろう。しかし、無料であると錯覚させて、巧みに誘導するのでやっかいだ。  合法的に課金させるため、サブスクリプションを開始する際はきちんと規約や確認画面が表示される。しかし、無料だと思い込んで、記載内容をよく確認せずに画面をポチポチと飛ばしていると見逃す可能性がある。犯人は、そのごく一部の被害者をターゲットにしているのだ。

アンインストールしても消えないサブスク契約

 実は、2年前にも当欄で紹介している。それでも、被害は以前拡大中というわけだ。  これらのアプリは、技術的にはマルウェアというわけではない。VPNやQRコードリーダー、写真編集、PDFリーダーなどのごくシンプルな機能を持つアプリだ。それでもきちんと調べずにアプリを入れてしまう人が後を絶たない。使ってみて、ダメならアンインストールすればいいと考えているからだ。  この考えが大きな落とし穴だ。アプリの利用開始時に、無料試用のあとのサブスクリプション契約に同意してしまっていると、アンインストールしても契約が続行するのだ。これは、機種変更や誤操作でユーザーデータが消滅するのを防ぐために普通のことなのだが、アンインストールすることで契約自体が消えたと思い込んでいる人もいる。  そして、あとからクレジットカードに大きなお金の請求がきて驚くことになる。なかには小さい金額のために、知らず知らずのうちに何年も引き落とされ続けてしまうかもしれない。
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自分は大丈夫か確認する方法は?
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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