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コロナ自粛ムードで日本から消えたイベント…経済損失は数十億円

ショービズ界の阿鼻叫喚

 遂にコロナの猛威は高校球児たちの夢をも打ち砕いてしまった。感染防止の名の下に、自粛ムード真っただ中で、ライブやイベントなどショービズ界の仕事が壊滅状態。現場スタッフの声を聞いた。
ショービズ界の阿鼻叫喚

無観客で行われている大相撲の大阪場所。客のいない土俵に違和感のあるファンは多いという

日本列島を襲うコロナ騒動。経営破綻するプロスポーツも!?

 なくても世界は回るが、これがなければ世界はつまらない。人々に夢と希望を与えるショービズ界が、新型コロナウイルスの大流行により青息吐息だ。今年2月26日に安倍総理は「多人数が集まる全国的なスポーツ競技やイベント開催の自粛」を要請するメッセージを国民に訴えており、これを受けて興行の中止や延期、あるいは無観客での開催が相次いでいるのだ。
ショービズ界の阿鼻叫喚

沿道での応援も自粛を呼びかけられた東京マラソン。ガランとした朝の新宿をランナーたちが走り抜けていった

 毎年3月の首都をジャックする東京マラソンも、一般ランナーを締め出し、沿道での観戦自粛を要請する形でからくも開催。しかし例年の華やかな盛り上がりに比べて、現場はまるでお通夜のようだった。スポーツイベントは、選手と観客の渾然一体のグルーヴがあってこその成功なのだろう。その点で、日本最大の市場規模を誇るスポーツ興行であるプロ野球界は、悩ましい判断を迫られている。 「3月20日に予定されていた開幕戦は、4月に延期になりましたが、果たしてそのときまでにコロナが終息して、お客さんを入れて試合をできるのか……。力士だけの大相撲春場所のように、オープン戦は無観客で実施しましたが、選手からはモチベーションが上がらないという声が出ています。それに、各球団とも大赤字ですからね。あれをシーズン通してやるなんて、現実的ではないと思いますよ」(プロ野球関係者)
ショービズ界の阿鼻叫喚

史上初となる無観客によるオープン戦。選手たちからは「張り合いがない」など、不満の声が……

 なにしろオープン戦を無観客にしたことで、各球団は数千万円もの損失があったという。 「入場料収入以上に痛いのが、グッズの売り上げですよ。今年はロッテの佐々木朗希、ヤクルトの奥川恭伸、中日の石川昂弥など、話題と実績のある新入団選手が揃ったけど、客がいないんだから彼らのグッズがまったく売れない。西武も松坂大輔の復帰に合わせてグッズを売る気満々だったから、頭を抱えているようです」(同)  とはいえ、体力のあるNPB球団はまだマシで、Jリーグはさらに深刻だ。各クラブのフトコロ事情には大きな格差があり、スポンサー収入と入場料収入を合わせた営業収益は、1位の96億円(’18年度)を誇るヴィッセル神戸に対して、大分トリニータは同じJ1ながら11億円(同)どまり。体力のないクラブにとって、試合を開催できない状況は死活問題なのだ。 「J1のビッグクラブ以外は、本当にツラい。特にJ2のクラブはどこも自転車操業なので、入場料収入とグッズ収入が命綱と言っていい。グッズは選手の収入にもなるから、選手にとっても死活問題です。それにクラブ職員の身分だって危ない。実際、スタッフの人員整理を始めたクラブもあるそうです。Jリーグがなんらかの補填をするとの話もありますが、具体的なところは未定のままです」(J2クラブ関係者)  また、たとえJリーグが再開を決めても県側が施設の使用禁止を続けた場合、ホームでの試合が開催できないことにもなりかねない。なぜなら、こうしたクラブの多くは県営グラウンドなど、自治体所有の施設をホームスタジアムにしているケースが多いからなのだ。
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イベントのキャンセルは1件1000万円の赤字
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