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大阪・夜の街の現状をレポート。自粛が明けても客が来ない…

―[キャバ嬢に訊け]―
 新型コロナウイルスにおける「新しい生活様式」とともに、徐々に日常を取り戻している日本。しかし、このところ感染者が爆発的に増加している東京都。それに比べ、比較的感染者が少ない大阪の夜の街に、ある異変が起きているという。  アフターコロナで大阪の夜の街はどう変化したのか? 最前線レポートをお送りしたい。

毎日ヒマすぎる…ホステスの嘆き

現在の大阪・北新地

現在の大阪・北新地

 まず、話を聞いたのは大阪・北新地のラウンジに勤務するホステスだ。 「どうもこうも、毎日ビックリするくらいヒマですよ。うちの店ではキャストの出勤が大幅に削られていて、平日はママと女の子1人という日も。それでも、お客さんが1人も来ないこともザラにあるので売上はマイナスです。でも、クラブで働いている友人は来客予定がないと出勤させてもらえない……とボヤいていました。  店では感染対策のために席をアクリル板で仕切ったり、おしぼりの代わりに除菌シートを渡していますが、お客さんが来ないのに備品代だけがムダにかかりました。通りを歩いても黒服や出勤中のホステスばかりで、お客さんらしき人は同伴している人が数人。これから飲みに行くぞ、という感じの団体客はほとんど見かけませんね」  一方で、大阪ミナミのキャバクラに勤務する女性はコロナ禍で起こった、店の深刻な状況を語った。 「コロナで店が2か月近く休みになったので、女の子はかなり減ってしまいました。1人は夜しか働いていなかったので休業中にお金がなくなってしまい、風俗に転職。2人目はコロナで愛人が切れてしまって、店を辞めてスナックの雇われママになったそうです。3人目はお客さんがコロナで亡くなってしまったそうです。そのお客さんとは数か月会っていなかったそうですが本人は相当ショックだったようで、店が再開された今でも出勤していません。キャストの時給も大幅に下げられて、私は昼と掛け持ちなのでどうにかやっていけていますが、夜1本のキャストは相当厳しいと思います」

夜よりも昼の方が混む?そのワケ

ミナミ

ミナミ・宗右衛門町は客引きの姿が目立った

 どの店でも出勤や時給の削減が行われている中で、「夜より昼間のほうが混んでいる」と話すのは、ガールズバーの女性スタッフだ。 「うちは、お昼から明け方までの営業でコロナ前は夜のほうが混んでいたのに、最近は昼の早い時間から飲みに来るお客さんが増えています。お客さんが言うには、会社や家族から『接触確認アプリ』をダウンロードさせられて、夜中に飲み歩いたらバレたときにマズイみたい。昼間なら、この周辺の飲食店にいたと言えばいいので、営業の外回りで飲みに来る人やテレワーク合間のランチのついでに来る人が多いですね。スタッフも女子大生が多いので授業がオンラインの今、昼のほうが出勤しやすいですね」
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パパ活目的で入店する悪質嬢の増加も
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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