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自粛警察、緊急事態解除でも暴走は止まらない? パチンコ店で県外ナンバーに生卵が…

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるべく、政府が行った自粛要請に応じない店や人々を勝手に取り締まる「自粛警察」の暴走が止まらない……。時に、犯罪すれすれとも言える異質な行動を取る彼らが振りかざす正義とは何なのか? 今回、被害者の声から探ってみた。
自粛警察が振りかざすサイコな正義感

要請に応じないパチンコ店の目の前で自粛を促すチラシを配る千葉県松戸市長

再開の動物園に「殺すぞ」、駄菓子屋に「オミセシメロ」

「再開したらどうなるかわかっているのか」「殺すぞ」  全国39県で緊急事態宣言が解除された1週間前の5月6日、営業再開を告知していた茨城県石岡市の自然動物公園「東筑波ユートピア」には、こんな匿名の脅迫電話がかかってきたという……。  長らく続いていた「自粛生活」もようやく終わりが見えてきたが、独りよがりの歪な正義感から、要請に従わない店や人をやり玉に挙げる「自粛警察」の暴走は、しばらくは収まりそうにない気配だ。下記の表にも列挙したが、あるときは、無観客で配信ライブを行っていたライブバーに「自粛してください。次発見すれば警察を呼びます」と因縁をつけ、あるときは高齢女性が細々と営む町の駄菓子屋に「コドモアツメルナ オミセシメロ マスクノムダ」と書かれた怪文書を貼りつけるなど、いきすぎた振る舞いをする「自粛警察」は後を絶たない。
自粛警察が振りかざすサイコな正義感

千葉県の駄菓子屋は3月下旬から休業していたのに4月下旬にこの紙が貼られた。店主は「今はこんなことではなく、みんなの気持ちを明るくすることを心がけてほしい」と

 実際、外出や休業要請に応じていないと警察に通報するケースも激増しているというが、彼らはなぜ、そうまでして自らの正義を押しつけようとするのか? 今回、都内の人気沿線で居酒屋を経営する40代の男性に話を聞いた。男性は都の感染拡大防止協力金の実施概要が発表された4月15日以前に、「ウイルスが住みついている可能性大なので、近づかないようにしましょう」と書かれた紙を店の壁に貼られたという。 「15日以降は夜8時までの営業にして、酒類の提供も夜7時までにしたのですが、貼り紙は都から正式な要請が出る前にフライング的に貼られました。ただ、その後ある男が、貼り紙と同じような文章をSNSに上げているのを常連のお客さんが見つけてくれたんです。おそらくその彼が犯人だと思うのですが、ウチの店と特定できるような形で批判して、フォロワーの人たちとクラスター感染のリスクについて熱心に語り合っていました……」  男は店に何回か来たことのある客だったという。ただ、連れの女性があまりにも酒癖が悪かったので出禁にしたため、「もしかしたら、逆恨みされたんじゃないか……。ウチの店は『コロナが出たから危険だ』というデマを流していたとも聞きました」と話す。結局、警察に被害届を出しに行ったが、後日、『犯人には辿り着けなかった』と報告を受け今に至っています」  店に対する嫌がらせはこれだけではない。電話で「なんで開けているんだ。気持ち悪いから閉めなさい」と注意してくる人をはじめ、営業中に外から勝手に写真や動画を撮っていく人もいたのだとか。  都の要請に従って営業しているにもかかわらず、一度、標的と定めたら猛然と牙を剥く「自粛警察」。緊急事態宣言が解除されたからといって、彼らはそう簡単に正義の拳を下ろすのだろうか……。
自粛警察が振りかざすサイコな正義感

道路を行き来するドライバーたちに向かって、来県自粛を呼びかける静岡県と熱海市の職員

自分や身内を守るためなら他県ナンバーは排斥の正義

 クレームの電話は常套手段のようだが、栃木県にある某パチンコ店の電話被害は度を越している。店長に話を聞いた。 「ある日、電話が鳴りやまない日がありまして。終日70~80件のクレーム電話。『なんで県の休業要請に従わないんですか?』とか言うから『いや、要請書や要請の電話は来てないですし、パチンコ店はセーフティネット保証5号の対象外という業種差別を受けていますからね。逆に保証ありきで安心して休めるように役所とかけあってもらえませんか?』なんて受け答えをしていたら、2日目の途中から無言電話になりました」  セーフティネット保証5号とは業況の悪化している業種に属することで経営の安定に支障を生じている中小企業者への保証制度のひとつ。通常の保証限度額とは別枠で80%の保証がなされる。パチンコ店は5月1日の指定業種拡充によって対象になった。 「結局、3日目まで無言電話が続きましたが、次の日からパタリと来なくなりました。声を聞いていた感じでは7~8人がそれぞれ10回くらい電話していたんでしょう。先に自粛していた競合店の嫌がらせか、いわゆるプロ市民だと思っていますけどね。何せ、この店は見通しのいいバイパス沿いにあるので近隣住民はいませんから」  このパチンコ店では他にも駐車場で横浜ナンバーの車の下に無数の釘がばらまかれていたり、茨城ナンバーの車のフロントガラスに生卵が投げつけられたりという他県ナンバー狩りがあったという。
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なぜ「自粛警察」は向こう見ずな行動を?
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週刊SPA!6/2号(5/26発売)

表紙の人/ 堀田 茜

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