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タブー芸能人出演の名作ドラマ…業界人が再放送で見たい作品は?

 類まれな才能やルックスを持つ者たちが集まる華やかな芸能界――。その一方で、信じられない不祥事や事件、事故を起こしてしまった者たちがいるのも事実だ。  新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けてオンエアが増えている再放送ドラマだが、上記のような“不祥事芸能人”のあおりを受けて、放送を控えてきた作品も多い。そんななか、6日に『やまとなでしこ』(フジ系、2000年放送)の特別編が放送。1話が9.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)とまずまずの数字をマークしたことはもちろん、それ以上に視聴者と業界人を驚かせたのは、保護責任者遺棄致死容疑などで逮捕・起訴され実刑判決を受けていた押尾学が出演し、エンドクレジットにも名前があったことだった。  この“解禁”とも言える事態を契機に不祥事芸能人たちが出演していたドラマの再放送のハードルが下がったように感じるが、ドラマに関わる業界関係者やスタッフ、脚本家たちはどんなお蔵入りドラマの再放送を期待しているのか? また、その放送の可能性についても聞いてみた。

沢尻エリカの大出世作『1リットルの涙』

 キー局のドラマ部でディレクターを務めるA氏はこう答える。 「押尾学さんの場合は、有罪判決こそ受けましたが刑期を終えている点が大きかったと思います。それでも局としては勇気ある決断だったと思います。私も『作品に罪はない』という意見に賛同していますが、テレビは不特定多数の人々が見る媒体なので難しいところですよね……。  ぜひ放送してほしいのは、『1リットルの涙』(フジ系、2005年放送)ですね。昨年11月に麻薬取締法違反の容疑で有罪判決を受けた沢尻エリカさんの出世作ですが、難病に立ち向かう少女の葛藤と家族や恋人、クラスメイトたちのそれぞれの心情を細やかに描いた、作り手としても素晴らしいと感じるドラマでした。当時、難病モノのドラマは増えていましたが、沢尻さんの繊細な演技と父親役の陣内孝則さん、母親役の薬師丸ひろ子さんの演技は別格でしたから。
母になる

画像:母になる公式サイト(日本テレビ)

 沢尻さんは『母になる』(2017年、日本テレビ系)での母親役でもリアルな演技をされていましたし、とにかく早く罪を償って復帰してもらいたい」

新井浩文が活躍するテレビドラマ版『ど根性ガエル』

ど根性ガエル

画像:ど根性ガエル公式サイト(日本テレビ)

 もう一作は、松山ケンイチさん主演の『ど根性ガエル』(日本テレビ系、2015年放送)ですね。ひろし演じる松山ケンイチさんとピョン吉の声を演じた満島ひかりさんの熱演もよかったのですが、ひろしの友人で元ガキ大将のゴリライモ役を演じた新井浩文さんの存在感が大きな作品でしたので、ぜひともノーカットで放送してほしいです。  彼は強制性交罪で逮捕・起訴されていて、明確な被害者がいらっしゃるので現実的な問題としてはなかなか厳しいとは思うのですが……。『下町ロケット』(TBS系、2015年放送)の再放送では全カットでしたし。ちなみに、前田敦子さんと勝地涼さんの“ウワサの夫婦”が共演している作品でもあるんですよね(苦笑)」

堺雅人とガッキーの法廷ドラマもノーカットで

 多くのドラマを手掛ける制作会社でプロデューサーを務める若手女性のB氏にも話を聞いた。
リーガル・ハイ Blu-ray BOX

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「堺雅人さんと新垣結衣さんが共演した法廷ドラマの『リーガルハイ』(フジ系、2012年放送)ですね。堺さん演じる、訴訟で一度も負けたことがない敏腕弁護士・古美門のまくしたてるようなセリフ回しと新垣さんのキュートさが魅力のドラマですが、謎のスパイ・加賀蘭丸役で出演していた田口淳之介さん(大麻取締法違反で逮捕)がかなりイイ味を出しています!  正直言って、登場シーンも多くないですしカットすることは簡単だと思いますが、脚本家の古沢良太さんも気に入っているキャラクターらしいので、カットなしで見たいですね。
ROOKIES

画像:ROOKIES公式サイト(TBS)

 先日の『JIN-仁-』(TBS系、2009年・2011年放送)の特別編に、未成年女性とのトラブルで書類送検されていた小出恵介さんが出演されていたことを考えると『ROOKIES』(TBS系、2008年放送)もぜひもう一度見たい。佐藤隆太さん、市原隼人さん、小出恵介さん、城田優さん、中尾明慶さん、高岡蒼甫さん、桐谷健太さん、佐藤健さんのラインナップはオールスター級ですよ。特に小出恵介さんは唯一不良ではない重要なシーンのある部員役だったので、こちらもカットなしを希望します」
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ピエール瀧の出演作品を…
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