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昆虫食はゲテモノじゃない。高すぎる栄養価を誇るスーパーフードだった

―[昆虫食のリアル]―
ゲテモノ扱いされたのも今は昔。美容やダイエットにも通じる高い栄養価を誇り、生産効率が高い昆虫が、スーパーフードとして注目を集めている。昆虫食にいち早く目をつけたスタートアップ企業に徹底取材し、あらゆる角度から昆虫食の今を探る!
昆虫食

パテの牛肉の50%を蚕に置き換えたシルクバーガーは深いコクと甘みを味わえる

日本に昆虫食元年が到来!ブランド化が成功のカギ

 世界のたんぱく質危機の救世主として食用昆虫に熱視線が注がれているなか、国内でも無印良品をはじめとして大手企業も昆虫食開発に乗り出す動きが出てきている。こうしたトレンドをいち早く察知し、昆虫食開発に先駆けるスタートアップ企業の一つが、蚕=シルクフードに的を絞って商品開発をしているエリーだ。代表の梶栗隆弘氏は「シルクフードは世界で戦える産業」と、構想を語る。 「エリーを立ち上げる前は食品メーカーに勤めていたのですが、その頃から将来の代替たんぱく質ビジネスに可能性を感じていました。そして世界で昆虫食に注目が集まっている昨今、日本の環境に適していて、生産効率と量産体制が確立しやすく、味もいい蚕に注目し、本格的に開発に着手すべく会社を立ち上げました。趣味の延長や文化発信でなく、あくまでビジネス目線で勝機が十分にあると思っています」

フレッシュな蚕はクリーミーでナッツ系の甘み

 昆虫食開発は、栄養、味、見た目がいいことが前提。とりわけ、“鮮度”にこだわっているという。 「これまで市場に出回っている昆虫食の多くは乾燥させたり、採取してから時間がたっているものです。蚕も絹糸を取った後の乾燥蛹がほとんど。なので、酸化が激しく独特の苦みやひどいニオイがする劣化した状態です。フレッシュな蚕はクリーミーでナッツ系の甘みがあり、味わいや風味がまったく違いますよ」  ペースト状にすることで応用範囲がグッと広がり、これまでハンバーグやシフォンケーキなどの商品を生み出してきた。また、蚕は栄養価も高く、乾燥した蚕3個で生卵1個分に匹敵するのだとか。 「血糖値を下げる作用や免疫力を高める整腸作用、そしてアンチエイジング効果などが見込める成分も豊富に含まれています。今は、蚕オリジナルの機能性成分を研究中。見た目と鮮度、そして蚕オリジナルの機能性成分が揃ったとき、日本国内でも普及するはずです」  食卓に、納豆の代わりに蚕が並ぶ日が到来するかもしれない。
昆虫食

「昆虫は栄養価や生産コストといったあらゆる点で肉と野菜の中間に位置していて、オールマイティな食材です。健康志向の今の時代ともマッチしていて、近い将来、当たり前のように蚕を食べるようになっているはず」と梶栗氏

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雇用を生み、経済を回す。昆虫は未来の新しい農業
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