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大学ミスコンはオワコン? 女性を商品に“課金ゲーム化”する運営への非難も

コロナにより半強制終了。開催予定も人集まらず?

ミスコンはオワコン?

写真はイメージです

 このような大学ミスコンの現状に協賛企業は縮小傾向にあると、大学広告専門の広告会社ユーキャンパス代表・渡部陽氏は語る。 「出場者が『本当はPRしたくなかった』『セクハラされた』など問題が起こるリスクがあり、費用対効果が合わないと企業側が気づき始めた。広告の問い合わせもこないですし、ウチは4年前に手を引きましたが、今の風潮を見るとやめてよかったです」  さらに今年は新型コロナの影響で学祭を中止する大学が続出。ユーキャンパスの調査によると、全国で学祭を中止した大学は45%、オンライン開催をする大学は14%、例年通り実施する大学はわずか0.5%だった。  主要大学のミスコンの開催状況を調べたところ、龍谷大と甲南大は学祭とともにミスコンも中止すると発表。一方で、オンライン学祭としてミスコンのみ開催するという横浜国立大、帝京大、神戸大のような例も。小規模大学では、ミスコン開催の告知はあるものの、出場者の募集をしたままでファイナリスト情報がなかったり、運営のSNSの更新が止まっていたりしている。もはや企画として成立せず、意図しない形でミスコンが開催できない状況だ。

「ミスコンが時代に合わないなんて思ったこともない」

 さまざまな理由で存続の危機にあるミスコンだが、この風潮に異議を唱えるのは、何を隠そう出場者本人たちだ。 「私はこういう問題があることも全部理解して出場しました。性差別とかそんなこと思ってないし、外野が勝手に憐れんでギャーギャー言わないでほしい。ミスコンが時代に合わないなんて思ったこともありません」(小島さん) 「これからの時代は個人の発信力が大事になってきます。ミスコンはセルフプロデュース力を鍛えるのに絶好の機会なんです。ルッキズムは頭ごなしに否定されている印象があるけど、美しくなろうという努力まで否定するのは違うと思う」(野山さん)  出場者の訴えも虚しく、ミスコンはこのまま過去の遺物として忘れ去られていくのだろうか。冒頭の霜田氏はこのように続けた。 「美人の人材や広告塔を見つけられる企業側と、その恩恵にあずかりたい出場者側というウィンウィンの関係が成立していることを思うと、縮小化の流れが止まらないのは非常に残念。ネット投票やSNSで学外の人や協賛企業のパワーバランスが強くなってきてしまったので、ネット活動や協賛の規模を小さくするなど、ネットが発達する以前の牧歌的なミスコンに戻って運営するといいのではと考えます」  さらに霜田氏は、ミスコン廃止の風潮の矛盾点を指摘する。 「大学生側がいくら時代の価値観に合わせてミスコン廃止や評価基準を変えても、企業や日本社会が容姿や女らしさ・男らしさを重視する現実はまだ変わっていない。その歪みがあるまま、大学ミスコンだけが批判を受けるのは不憫です。大人のほうから変わっていくべきではないでしょうか」  窮屈な時代のなかでは手探りしながら、ミスコンの新しいカタチを模索する以外ないのだろうか。
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大学ミスコン2020年開催状況
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