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Go Toトラベル中止で大量発生、帰省難民で東京が“密”だらけに!?

初詣はどこも大混雑!?

帰省難民

Go Toトラベルの全国一斉停止が発表された直後の浅草。人出が急激に減ったが、年末年始は帰省難民でごった返す可能性も

 こうした場所では正月クラスターの発生も懸念されるが、では年末年始の都内は、どういった場所が混雑するのか。  位置情報ビッグデータ解析を手がけるクロスロケーションズからデータ提供を受け、SPA!が分析した結果、官公庁や多くの企業で仕事納めとなった’19年12月27日の人出は、その2週間前と比較すると、渋谷センター街で約56%増、アメ横で約55%増、新宿・歌舞伎町エリアで約54%増となった。また、元旦と2週間前を比較して混雑が目立ったのは浅草寺の200%増、明治神宮の48%増などだ。鎌倉の鶴岡八幡宮では899%増という混雑ぶりであった。  初詣はどこも大混雑になりそうだ。都内の主要な寺社のHPを見ても大晦日から元旦にかけては一部神社が閉鎖すると発表しているが、とくに三が日は閉鎖される予定はなさそうだ。  県をまたぐ移動が控えられる代わりに大都市で密が発生するとなれば本末転倒だ。帰省自粛の呼びかけやGo Toトラベルの停止は必要な措置だったのか。元厚労省医系技官の木村盛世氏は言う。 「コロナ禍で避けなければならないのは、高齢者や高リスク者に感染させて医療体制をひっ迫させること。健康な現役世代で感染が拡大してもさほど問題はないのです。日本はこれまでも、国民の自覚的行動によって感染拡大を最小限に抑えてきたわけで、国や行政があらゆる帰省や旅行を十把一絡げにして自粛を要請する必要はなかったと思います」  一方で、PCR検査が数千円で受けられる民間検査センターが相次ぎオープンし、「帰省前検査」がSNSで話題となった。これについて木村氏は「PCRの精度にはばらつきがあり、偽陰性も多いので、検査結果を過信することは逆に危険」と警鐘を鳴らす。  政府によるコロナ関連の政策が二転三転するなか、頼みの綱は国民一人ひとりによる主体的なリスク管理ということか。

都内危険スポット

▼デパ地下 自宅で新年を迎える家庭のなかには、帰省中止で浮いた予算をおせち料理や高価なスイーツに投入するという動きも。年末年始の百貨店の総菜売り場は、時間帯によっては例年以上の賑わいを見せる可能性もある。 ▼海ほたる 例年、初日の出目当ての来場者で混雑するパーキングエリア。’21年は高尾山の山頂をはじめ、都内周辺の複数の初日の出スポットが閉鎖を決めているなか、ここでは一層の密が予想されている。走り屋も多く密に? ▼新大久保 第4次といわれる韓流ブームに乗る若者に加え、海外への渡航がほぼ不可能ななか、異国情緒を求める人々で週末はかなりのにぎわいを見せている。裏通りでは、時短要請をよそに朝まで営業する飲食店もあるという。 ▼有名蕎麦店 旅行ができない代わりに、「マイクロツーリズム」の一環として「年越しそばくらい名店で食べよう」と考える人が増えそうだ。毎年、大みそかには有名蕎麦店に行列ができるが、’20年はそれ以上にできる可能性がある。 ▼浅草寺 ’20年の3が日には延べ62万人が訪れた、都内屈指の初詣スポット。首都圏では、例年行われる元日未明の公共交通機関の終夜運転の中止が続々と発表されているが、逆に日中に参拝客が集中する結果に!? <取材・文/奥窪優木 アズマカン 写真/時事通信社>
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