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首都圏ではマスク未着用に厳しい目、地方の田舎では「対岸の火事」

自分を棚に上げながら「こんな所に赤ん坊を連れてくるな」

スーパーマーケット 大阪府貝塚市在住の鈴木浩子さん(仮名・27歳)が、生後間もない息子を連れて近所のスーパーに買い物へ行った時のこと。  とある一人の高齢者が近づいてきた。「今何か月?」と聞かれ、世間話かと思いきや、高齢者はこちらの顔を覗き込みこう言った。 「こんな所に赤ん坊を連れてくるな」  突然の出来事に驚いた浩子さん。たしかに、子どもは新型コロナウイルスに感染していても無症状の場合が多いと報道されてきた。しかし、生まれたばかりの息子を家に置いてくるわけにはいかない。  ともあれ、それ以上に信じられなかったのがその高齢者がマスクをつけていなかったことだ。  浩子さんは「生活していく上で必要なものを買いに来ただけなのに、そんなことを言われるなんて……」と戸惑ったという。  あまりに唐突すぎて頭が回らず、言葉を失ってしまった。今振り返ると「マスクをつけてから言ってくださいよ」くらい言い返したかったと悔しい表情を見せた。

近所のスーパーでマスク未着用だったのはほとんど高齢者

マスク そんなエピソードを聞き、愛知県の田舎に住む筆者は、実際にどれだけマスク未着用の人がいるのか。近所のスーパーへ行き、1時間でマスクをつけていない客がどれくらいいるのか定点観測を行ってみた。  入り口は二ヶ所存在している。そのうちの一つの入り口前で張り込みし、その数をカウントしてみると、結果はなんと、60人中11人がマスクを着用していなかった。  そもそもマスクを持っていない人はもちろん、顎にかけているだけで鼻や口が露出している状態で店に入っていく姿も……。  今回は一つの入り口で検証した結果だが、もう片方の入り口も合わせれば、より多くのマスクをつけていない客を目にしたかもしれない。  ちなみにマスク未着用だったのは、高齢者が多かった。  この日マスクをたまたま忘れてしまったのか、普段からつけていないのか定かではないが、テレビや新聞でこれだけ報道されているなかでも“気の緩み”が感じ取れた。  首都圏では、通勤電車やコンビニに行く時でさえ、マスク未着用では周囲から“犯罪者”を見るような目を向けられてしまう。一方、地方ではまるで他人事として捉える人も少なくないのだ。マスクを気にせず外に出られる日は、いつやってくるのだろうか。<取材・文/桃沢もちこ>
神奈川県在住、'93年生まれのフリーライター。社会問題からトレンド、体験取材まで幅広く書きます。アイドルオタクに詳しい。Twitter:@mochico1407
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