ライフ

新型コロナウィルスの陽性者になった“受験生の息子”、そしてイジメの恐怖

“濃厚接触者の次男が、陰性者でも1か月の休みに”

 家庭内クラスターの問題は、陽性者だけではない。“陰性者”となった佐藤さんの次男も、濃厚接触者として自宅待機。それが思わぬ長期化することになる。 「保健所の指導では、有症状患者は発症日から10日、軽快日から3日で外出可能になります。でも、濃厚接触者は“陽性者に最後に接触してから2週間は外出禁止”なんです。例えば長男がコロナ陽性になったのは1月10日だったとして、症状が軽快後に外出できるのは最短で1月24日。陰性者の次男はそこから約2週間外出できないんです。さらに夫、私と数日おきに陽性者になったので、次男は1か月近く学校を休むことになりました。保健所からは『決まりなので……』の一点張りと緩和してくれない。これが家庭内感染の怖さ。むしろ陽性者のほうが早く外出できるシステムには疑問が残ります……」  1か月も休めば勉強は遅れるのはもちろんだが、それ以上に怖いことがあった。コロナによる「イジメ」だ。 「次男はかなり活発なタイプだったんですが、長い自宅待機に徐々に『バレたらイジメられるかも……』と心配していました。私も学校に相談し、副校長先生から『イジメはないように徹底します』と言われたんですが、子供はときに残酷だから心配で。もちろん良い子はいて、『学校に来ないけど、どうしたの?』と気にしてくれて、プリントも持ってきてくれる。でも、玄関先でも受け取ることはできないから、どうしてもバレますよね」  佐藤さんの次男は1か月の休み期間中、昨年4月の緊急事態宣言で学校から配布されたタブレットで学習しているが、それでも1日1時間程度の時間で終えてしまうという。 「次男は学校の先生とも電話でやり取りはしていますが、残り時間はやっぱりどうしても暇。毎日『外に出たい』『やることがない』と言っていて……。本音を言えば、人がいない早朝や深夜に散歩でもさせてあげたいけど、これも他人に見られたら大変ですから。私も仕事はテレワークで、仕事に集中したいのに子供が騒ぐと叱ってしまうこともある。1か月近く、外に出ないわけですから。家族全員、凄くストレスが溜まっていると思うんですよ」  陽性者だった佐藤さん夫婦、長男はすでに軽快して外出しているが、まだ次男は自宅待機が続いている。未曾有の被害で、対応が間に合っていないが、せめて子どもたちの未来は保証して欲しいものだ。 (取材・文/週刊SPA!取材班)
1
2
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート