ニュース

ブラック企業“霞が関”の本音。過労死ラインを越える残業が月100時間以上

霞が関を変えるためには「世論が必要」

官僚

河野太郎行政改革担当相は「(残業時間の調整や不正は)やらない、やらせない、見逃さない。それを徹底していく」と強調する

 ’19年9月まで厚労省のキャリア官僚だった千正康裕氏は、昨年『ブラック霞が関』(新潮社)を出版。霞が関を変えるためには「世論が必要」と訴える。 「霞が関の中の業務改革だけでなく、人員配置の見直し、システムや外注予算、国会改革も必要。『税金で雇っている人間に無駄な仕事をさせるな!』と世論の後押しがないと変われない」  新型コロナ収束の切り札であるワクチン接種にも、このままでは影響が出ると千正氏は話す。 「官邸主導の一律10万円給付金、一斉休校、布マスク配布などで現場も混乱し、支給も遅れ、官僚も振り回された。ワクチン接種は未會有の国家プロジェクト。想定通りにはいかない。政治的PRで無理にスピードを求めれば、現場が混乱し結局接種が遅れる。対応に追われる保健所も霞が関も人が倒れ、若手も辞めていく。公務員や医療者の実務も冷静に考える必要がある。一緒に考えてほしいんです」  霞が関のブラック化を止めることが喫緊の課題のようだ。
次のページ
“儲けること”に対する意識の違い
1
2
3
4
おすすめ記事