仕事

年収800万円でも不満爆発。むちゃなノルマで過労死寸前な40代課長

―[生き残る会社員]―
 IT企業で働く男性46歳は、管理職で年収も800万円と決して悪くはないものの、急ピッチで進められた社内改革によって疲弊しているという。コロナを旗印に強行される組織改革で、サラリーマンの社内サバイバルは激化。詳しい実態を取材した。
生き残る会社員

撮影/杉原洋平

ノルマ=ジョブ型と勘違い!? 現場も兼務させられ過労死寸前に

 新型コロナ発生から1年――。関連する経営破綻は1000件に達し、解雇された人の数は8万4883人に上る。その波は正社員にも及び、東京商工リサーチの調査によれば、’20年に早期退職希望を募った企業は93社と前年比で2.6倍に増加している。 「リモート化に伴う社内システム再構築の注文が増え、ウチの会社はコロナ禍でもそこそこ好調。社長がそれに気を良くしたのか『取引先に最先端の会社だと示すべく、新しい働き方を導入するぞ』と息巻き始めて……おかげで過労死寸前ですよ」
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吉岡穣一さん(仮名・46歳)

 そう語るのは、社員数50人程度のIT企業でソリューション事業部の課長を務める吉岡穣一さん(仮名・46歳・年収800万円)。社員はリモートワークを徹底するだけでなく、大手に先駆けジョブ型雇用を導入。しかし、急ピッチで進められた社内改革はアラだらけだったという。 「社員それぞれに取り組むべき職務とノルマに応じた報酬が事細かに定められたのですが、求められる成果がどれもムチャなんです。私がこれまでと同等の給与を得ようと思ったら、部下5人全員が昨年比120%増の売り上げを出し、課としての成績を倍近くまで増やさなければならない。おかげで自分も営業に回らざるを得ず、部下の成績をサポートしています」

手柄の奪い合いまで起きる始末に…

 本来のジョブ型ならば、管理職である吉岡さんは「部下の管理・育成」という管理職の職務のみを遂行し、そこで成果が出れば評価されるはずだ。だが、ノルマを課された揚げ句に自分も現場に出る羽目になっては本末転倒だ。 「他部署でも不満が噴出していて、手柄の奪い合いまで起きる始末。働き方革命だ、裁量労働制だとはやりの働き方がこれまでいくつも騒がれてきましたが、どれも言葉を換えただけで、社員を低コストでこき使おうとしているだけなんじゃないかと最近は思うんですよ」  いくら悪くはない給料をもらっていても、健康を失っては本末転倒である。吉岡さんが倒れる前に制度に見直しが入ることを祈るばかりだ。
生き残る会社員

ジョブ型が導入されると知り「管理職のプロになろう」とマネジメント本を多数購入。「現場に出てばっかりで、読めてもいません」

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「ジョブ型雇用」推進の落とし穴
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