コロナ禍で銀座ホステスたちは…ファミレスと焼肉屋のアルバイトを掛け持ち
菅義偉首相は5日、首都圏1都3県を対象とする緊急事態宣言を2週間延長すると決定した。
飲食店はもちろんのこと、夜に働く女性達にとってまだまだ厳しい状況が続いている東京。それは、時短営業が続く、高級クラブが軒を連ねる銀座のホステス達も同様だという。彼女らは現在、どのように収入を得ているのだろうか。2人のホステスを取材した。
話を聞いたのは、銀座に勤して15年となるベテランホステスのユカリさん(仮名・40歳)。以前の平均月収は90万円だったのに対し、時短営業要請後の収入は8割まで落ち込んだという。
「銀座の勤務形態は少々特殊で、日給制のレギュラーとアルバイト(ヘルプ)、時給制の派遣の3つに別れています。私の場合、打ち込みといって『月に~万円売上を出します』という日給+売上ノルマの契約で日給35000円でした。しかし、時短営業になってからは日給制ではなくなり、日給÷勤務時間の時給制または売上制に変わったんです。
売上制とはお客様が使った額の約50%がそのまま給与になるという仕組みで、うちの店でいうとお客様が支払う平均金額が8万円なのでその折半の4万円がお給料になります。
私は売上制を選んだのですが、基本的に自分のお客さんの予約がある日以外は出勤はできなくなりました。特に1月はお客様の中で感染者が出てしまい、店は大事をとって2週間の休業に。出勤できたのはたった5日間だけで先月の収入は17万円でした」
ユカリさんが住んでいるのは銀座からほど近い、家賃12万円のマンション。ホステスだけの給料で生活できるのだろうか。
「先月までファミレスと焼肉屋のアルバイトも掛け持ちをしていて、月収は20万円ほど。また、法律事務所でもアルバイトをすることになったので、現在は4つの仕事を掛け持ちということになります。休業や時短で収入が減ったホステスの中にはギャラ飲みや自分のお客さんにパパ活を持ちかけるという子もいますが、私は抵抗があるんです。
今は毎日自炊をしたりお弁当を作ったり節約していますが、生活はギリギリです。不足分は持続化給付金や家賃支援給付金で補ったり、個人向け緊急小口資金貸付制度の申請や保険会社の契約者貸付制度で借り入れをしながらどうにか生活しています」
法律事務所でアルバイトを始めたのは、自身の借入も含めて債務整理の知識を身につけたいと思ったからだと話すユカリさん。銀座で働くホステスの平均年齢は33歳。収入が激減しても目先の利益にとらわれず、将来のことを視野に考えるホステスは多いという。
平均月収は90万円が8割減
銀座のホステスがファミレスと焼肉屋のアルバイトを掛け持ち
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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