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風俗、ギャンブル、借金etc.「ダメ男の流儀」を爪切男×鈴木もぐらが語る

さまざまな勤労体験が綴られたエッセイ『働きアリに花束を』が話題だ。著者の爪切男氏と、同書の帯に推薦文を寄せた空気階段・鈴木もぐら氏。ともに借金にまみれ、風俗とパチンコにカネを溶かした。“クズ”と称されることの多い2人にこれまでの人生を振り返ってもらった。

未来なんて見えないけれど今日を楽しむスベがある

爪

爪切男氏(左)、鈴木もぐら氏

 8歳から実家の借金返済のため内職に明け暮れ、これまでに経験した職種は100種類を超える爪切男氏と、18歳から夜の街で働き、学費をパチンコで稼いだ鈴木もぐら氏。バッティングセンターと無料案内所――2人は同じ時代に歌舞伎町で働いていた。 爪切男(以下、爪):歌舞伎町の人は「明日も楽しく飲めたらいいね」くらいの感覚で働く人が多くて、それが自分の性に合ってましたね。 鈴木もぐら(以下、もぐら):わかります。10年先を考えて不安になってもしょうがないんですよ。 爪:変に前向きなんですよね。落ち込んでる場合じゃないっていうか、今しかないし、未来なんて見えないので。僕はなぜか現状がベストだと思い込んでいるところがあるんですよ。友達に「太ったな」って言われても僕は常に今がベスト体重だと思ってる。 もぐら:僕もそういうタイプなんで、妻にはめちゃくちゃ怒られます。結婚してみて本当に思うのは、男は将棋でいう「歩」なんだってこと。女性は王将ですよ。偉そうにしている男も所詮「と金」なんです。裏返っているだけでね。

段ボール箱に土を一日中詰めて2万5000円

爪爪:僕は人と話すのが好きで、日雇いばっかりやってきました。夜の仕事だと、「喋りかけないでくれ」って人が多くないですか? もぐら:無料案内所はまさにそう。仕事さえしていればなんでもいいっていうのが基本ですからね。 爪:現場に行ってみたら、段ボール箱に土を一日中詰めて2万5000円っていう仕事があったんです。絶対ヤバイから逃げようと思ったけど、その日は僕ともう一人、うっすら口紅を塗った個性的なおじさんしかいなくて。 もぐら:一緒に逃げるか一緒に働くしかないですね。 爪:僕はよかれと思って一緒に逃げたんですけど、「どんなに怪しくても、私にとって給料がもらえるありがたい仕事だったのよ」って、後で言われて反省しました。 もぐら:同じ1万円でも、ありがたみとかデカさって人それぞれですからね。取っ払いで1万円もらえるペンキの剥離バイトが芸人の間で人気だったんですけど、先輩芸人がバイトの写真をTwitterにあげたら現場責任者にものすごい怒られて。それからすぐ、ちゃっちい作業用マスクが8万円ぐらいするやつに替わったんです。 爪:めちゃくちゃ軽装備で危険作業をやらされていたわけですね。 もぐら:そうなんですよ。写真が表に出るのはまずかったみたいで。でも、僕らは誰も怒らなかったんです。だって、たとえ30分で溶かそうと、僕にとっては貴重なパチンコ代でしたから。
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どん底の人間がそこにいるときにだけ聴く音楽
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働きアリに花束を

爪切男が紡ぐ「勤労エッセイ」
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