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借金500万円男に裁判所からの「本気の手紙」。泥沼の借金バトルは“事件”に

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteが人気を博したTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載は43回。  今回は、本気で催促されたお話です。
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ポストを見なければいい

 並大抵の消費者金融やカードローン、年金や国民健康保険から目を逸らすには、ポストを見なければいい。多重債務者は過去と向き合わないことによって自分を守り、また、そういった相手に対して、 「いやいや、もうここには住んでいませんよ?」 という姿勢を取ることができる。武富士亡き後、借金と暴力は完全に切り離されたらしい。平和な時代に感謝しかない。  しかし、そんなかりそめの平穏を強引に突破してくる組織が完全になくなったわけではない。NHKと裁判所だ。彼らは普通の顔や手紙を装って、客人や郵便配達に紛れて突然現れる。玄関で気づいた時にはもう遅い。「テレビありますか?」、と。「特別送達郵便」は、視覚に入った時点で相手の間合いに入っている。  通常、手紙というものは送ったら相手が読んだかどうかはわからない。同様に、借金の電話も出なければ相手がその事実を認識しているかどうかがわからない。もしかしたら遠くに逃げてしまったかもしれないし、借金を苦に壊れてしまったかもしれない。だが、特別送達郵便は違う。「直接本人が受け取った通知」が相手に伝わる。  こちらが特別送達郵便を見てしまった時、特別送達郵便もまたこちらを見ているのだ。

かれこれ3回目

 僕はもうかれこれ3回は特別送達郵便を受け取っている。全て簡易裁判所からで、レイクが原告のものが1回、オリエントコーポレーションが原告のものが2回だ。今回は以前書いた「支払い督促」の続きの話だ。  その日の昼は家にいた。ずっとスマッシュブラザーズをしていたと思う。現代の多重債務者は自称哲学者や文豪にはならず、漫然とゲームにハマる傾向にある。飲み代よりも安いし、簡単に脳のCPUを使い尽くして将来の不安や憂鬱が入る隙間を埋めてくれるからだ。人間らしく自分と向き合うことは、この歳にもなると体に障る。  パンツ一枚、シャツ一枚の格好でゲームをしていた。たまたま仕事がない時期だったので風呂にもしばらく入っていなかった。外出の目的が仕事だけになってしまった今、すでに借金で汚れきった体を洗う理由が無かった。  インターホンが鳴り、相手の用件も聞かずにズボンだけ履いてゲームのコントローラーを握ったまま玄関に向かった。インターネットで悪目立ちしている僕は、よくAmazonで他人からインスタント食品をもらう。パブロフの犬は、インターホンの音で物がもらえると思い込んで少し浮き足立つ。
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慣れたころにやってくるホンモノ
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