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美食の町、西荻窪で地元の人に愛される炭火焼イタリアン

前菜は魅惑的な魚料理のオンパレード

ダリオ

魚は豊洲市場で仕入れる他、ヤリイカ、カナガシラ、白子、クロソイ、帆立などは、岩手県大船渡の志田商店に魚種を指定して送ってもらっている

 ここのメニューがこれほど季節の色が強いのは、恐らく魚料理がものすごく多いからなんだと思う。野菜と同じくらい、いやそれ以上に魚って実は季節を感じる食材だと思うから。 「僕自身魚が好きなので、前菜で魚料理をたくさん食べていただいて、メインで肉料理という構成にしています」とオーナーシェフの中島亮平さん。
ダリオ

調理師専門学校を卒業後、KIHACHIで5年働いて渡伊。トスカーナで7か月、サルディニアで4か月修業して帰国。都内のイタリアンで5年ほど働き、「居酒屋みたいなノリの店がやりたいと思って」32歳で独立

 前菜は魅惑的な魚料理のオンパレードで、続くパスタもバリエーションがありすぎて、実はメインまで目がいっていなかったかも(汗)。とはいえ、基本的には前菜食いの私。前菜で魚ばっかりオーダーして、途中で肉がないことに気がついて、慌ててプロシュートコットのような前菜の肉料理を頼むのがいつものパターン。
ダリオ

冷たい前菜から、大船渡産ホタテ貝とイチゴのカルパッチョ 花梨ソースと下仁田葱のソース¥1,800。「北イタリアは海のイメージがないかもしれませんが、実は海が近くて魚料理が伝統的に食べられているんです」(ソムリエ新藤桂一郎さん)と北イタリアのフリウリ・ヴェネチア・ジューリア「スケルジ」のマルヴァジア¥1,500を

ダリオ

温かい前菜から、金目鯛のおぼろ昆布蒸し 源助大根の煮込み¥2,000。「オリーブオイルが唯一洋食感を出してるけど、ほとんど和食!」(ハナコ)。「出汁の柔らかさとリンクさせて」(ソムリエ新藤さん)北イタリアのトレンティーノ・アルト・アディジェ「ジーノ・ペドロッティ」の白ワイン、ノジオラ¥850を

イタリアのナチュラルワインをペアリングで

 そしてワインはいつもソムリエの新藤桂一郎さんにお任せ。ワインは正直まったく詳しくないので、それが絶対間違いないから! 
ダリオ

ソムリエの新藤桂一郎さん。シェフの中島さんと以前の店で同僚だったそう。「この男子2人の雰囲気が何だかすごくいいんだよねー。新たに1人増えて、しかもまた男子(笑)」(ハナコ)

ダリオ

左から、冷たい前菜、温かい前菜、パスタ、メインに合わせてソムリエの新藤さんがセレクトしてくれたイタリアのナチュラルワイン

 この店がいいなと思うのは、駅から徒歩10分という立地のせいか、通りがかりに何となく入っちゃいましたという浮ついた感じの人がひとりもいないこと。「お客さんの9割5分は地元の人です」と中島さん。みんな食べ慣れた大人で、この店に来たくて、何度も通っていますという人ばかりな気がする。
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一人一皿でハーフもOK
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食と酒と旅をこよなく愛する編集者。雑誌などのメディアやTwitter、Instagramでレシピや美味しいお店を発信中。新刊『ツレヅレハナコの2素材で私つまみ』がKADOKAWAより好評発売中。他にも『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの南の島へ呑みに行こうよ!』(光文社)、『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)など著書多数。Twitter@turehana instagram@turehana1

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