清野とおると行く【赤羽パラレルワールド】紀行
どこか気になる存在だけど、自分から積極的には近づけない……。そんな思いを街角の不思議な人たちに抱く人も多いだろう。だが、東京には彼らがイキイキ街に溶け込むパラレルワールドがあるらしい。その地は、北区赤羽。漫画『東京都北区赤羽』の著者で、多くの赤羽住人と交流を持つ漫画家・清野とおる氏と一緒に、ワクワクの赤羽巡りに繰り出してみた!
某日夕方、清野氏と赤羽駅で待ち合わせ。いざ街中散策を開始! が、赤羽駅を出てすぐに、何やら赤い物体が視界に飛び込んできた。……あれは、何だ? すると清野氏が一言。
「あれは、赤羽名物の“赤いおじさん”ですね。話しかけます?」
◆“赤いおじさん”のお宅を拝見!
よくよく見てみると、赤い物体と思っていたのは、全身赤い服装に身を包んだ初老の男性。これは、ぜひ接触せねば! ということで、早速声をかけてみた。すると、赤いおじさんこと大塚文夫さん(69歳)からは「何?」とご機嫌な反応。あ、なんかいい人みたい……。すでに赤羽ウォッチャーの清野氏とは顔見知り。そのためか、会って早々に「ウチ来る?」とご自宅にお招きいただいた。
そこで、ご自宅にお邪魔すると……。赤い。全体的に、赤い。椅子やクッション、小物はもちろん、赤いテープがグルグル巻きにされた謎のベッドや机から、「赤」への相当なこだわりがうかがえる。そして、窓際にはぶらりと干された赤い女性ものの下着が。まさに、真紅のカオス。それにしても、なぜこんなに赤が好きなのか?
「うーん、まあ、赤はほかの色に比べたら、ちょっと好きっていうぐらいで、そこまで大好きなわけではないんだよね。ちょっと前は、全身緑にしてたしね。最近はイメチェンしたくて、黄色い服を探しているんだけど、意外と見つからなくて。もし黄色の服が手に入ったら、全身黄色で歩きたいねえ」
なんで赤い恰好をしているのかは全くわからなかったが、大塚さんが黄色い服を手に入れられることを祈りつつ、家を後にした。
⇒【後編】へ続く “赤羽のポール・ポッツ”は元漫画家だった!?
https://nikkan-spa.jp/204982
【清野とおる氏】
漫画家。東京都北区赤羽在住。赤羽で出会った人々との交流を描いたエッセイ漫画『東京都北区赤羽』が人気
― 超局地的[街の名物人間]直撃リポート【6】―
|
『東京都北区赤羽 』 赤羽に秘められた恐ろしいパワー! ![]() |
この特集の前回記事
【関連キーワードから記事を探す】
「世界を旅して花嫁を探す」――46歳のバツイチおじさんは英語も喋れないのに本気でそう思い立った 〈第2話〉
「“人食いザメ”は映画『ジョーズ』が生んだ誤解」世界唯一のシャークジャーナリストを直撃
“怪魚ハンター”って稼げるの? 小塚拓矢の働き方「仕事しないでいいように、仕事をしている」
釣りを仕事にすること…“怪魚ハンター”と呼ばれる男はこう稼ぐ
“怪魚釣り”に20代の全てを注いだ小塚拓矢が世界を周って気付いたこと
清野とおる×パリッコが語る、飲み歩いて気づいたこと「どこの街にも、キーマンはいる」
漫画家・清野とおる × 酒場ライター・パリッコ 書籍『赤羽以外の「色んな街」を歩いてみた』発売!
メダカすくいに救われた「水道橋」の夜/清野とおる×パリッコ
不動産屋はウソをつく。損しないために知っておきたい3つの“単語”
茨城県が魅力度ランキング最下位脱出!県民に直撃レポートしてみた