ひろゆきが「親ガチャ」という言葉をポジティブに捉える理由
「親ガチャ」論争が勃発して以来、親世代の意見は多くが否定的だ。「育ててもらった親に対して言う言葉ではない」と。しかし、著書『僕が親ならこう育てるね』を上梓したひろゆき氏は「子どもが親の不満を話せることはいいこと」と説き、話題を呼んだ。そもそも、親世代は怒る前に、子どもに「親ガチャはずれ」と言われなければいいーー。そう話すひろゆき氏が考えた、子どもの育て方とは?
最近「親ガチャ」という言葉が話題です。ネット上で若い人たちが使っていた言葉で、ガチャガチャのように親や生まれた家庭環境は自分で選べないという意味。「そういう言葉を使うと親が傷つく」「この言葉を使うのが良くない」と大論争になっています。
しかし、その概念はもっと昔からありました。家が貧しいから自分は大成できなかったとか、親の容姿が悪いから自分の容姿も悪いとか。重たすぎる要因がいろいろあるわけですが、それを気軽に話せるようにしたのが「親ガチャ」という言葉でした。
今回、その気軽さが「軽々しく言うものではない」と批判されているわけですが、僕は子どもが親の不満を他者に気軽に話せるのは良いことだと考えるので、「親ガチャ」という言葉を子どもに使わせないようにするのは反対です。
世の中には、毒親やモンスターペアレントとか呼ばれる、頭のおかしな親が存在します。事実、令和2年度の児童相談所の児童虐待対応件数は20万5029件で過去最多。少子化が進んでいるのに児童虐待は増えているわけです。日本での通報件数は少ないですが、親による性的虐待のニュースは、アメリカやフランスとかだとよく見かけたりします。
そうした親の犠牲になる子どもを減らすためには、子どもが自身の親の状況を周りに気軽に話すことが大切。「自分の家庭はおかしいのかも?」と気づく機会を与えることになります。
虐待を受けている子どもは、親から「躾の一環」と言われることが多く、家庭内しか知らない子どもは虐待を「普通」と信じ込んでしまうものです。そんな事態を回避できるなら「親ガチャ」という言葉を気軽に使える社会にしたほうがいいと思うんですよね。
“親のせい”にしない、子どもの育て方
「親ガチャ」という言葉を気軽に使える社会のほうがいい
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西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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