ひろゆきが考える「『鬼滅の刃 遊郭編』を子どもに禁止しないほうがいい理由」
「子どもにアニメや漫画を見せるべきか?」は、「インターネットを使わせるべきか?」とともに、子育て世代で論争になるテーマのひとつ。例えば、『鬼滅の刃』はPG12指定されたものの、「見せるべきではない」派の親も多く存在する。著者『僕が親ならこう育てる』で子育て&教育論を上梓したひろゆき氏は、この問題をどう考えるのか?
――『鬼滅の刃』を「子どもに見せない」という点についてどう思いますか?
ひろゆき:たしかに首が跳ね飛ぶグロテスクな描写のある漫画やアニメを見た際にショックを受ける子どももいるので、見せないという意見はわかります。ただ、「子どもに漫画やアニメを見せる/見せないの基準」というのがあって、それは子どもにダメな理由をきちんと説明できるかどうかだと思うんです。
12月から『鬼滅の刃』は「遊廓編」に突入するわけですが、「遊廓編を子どもに説明できない」という理由で見せないのは少し違うかな、と。日本の歴史上、花魁は実在しましたし、そういう事実は事実として学ばせてあげればいいと思います。
僕は三国志や水滸伝、史記や戦国時代、ナポレオンにフランス革命時代と、世界史や日本史の知識の多くを漫画で学びました。
イタリアのルネッサンス期は『チェーザレ』、北欧のバイキング知識は『ヴィンランド・サガ』、古代ギリシャ時代は『ヒストリエ』。最近だとアイヌ民族の文化を漫画の『ゴールデンカムイ』で……高校生のときには『週刊少年ジャンプ』で連載していた前田利家の甥、前田利益を主人公にした漫画『花の慶次』で戦国時代に興味を持ち、原作である歴史小説『一夢庵風流記』まで読んだものです。
――たしかに知識を得たきっかけが漫画だったという経験は珍しくありません。
ひろゆき:世の中には「歴史を知りたければ、漫画ではなく、歴史書で」と考える人もいますが、普通に生活していたら歴史に興味を持つ機会は少ない。
しかし、漫画の力を借りれば、子どもも「読んでみよう」となり、結果として歴史や文化を学べるわけで、役に立つ漫画やアニメもあるのに「けしからん!」と十把一絡げに禁止するのは、内容を知りもしない親の先入観だったりするんですよね。
「見せない理由」をちゃんと説明できるかどうか
漫画の力を借りれば、子どもは自発的に歴史や文化を学ぶ
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西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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