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日本国民は「マトモな野党第一党」を持てるのか/倉山満の政局速報

立民が持ち直すか、国民へ大量入党するか

 その後、国民民主党は「いつもの野党」「追及型野党」をやめ、「提言型野党」へと転換した。玉木雄一郎代表をはじめ、この党の議員は、水を得た魚のように正論を言い始めた。最近でも、「トリガー条項凍結解除」を訴えている。要するにガソリン値下げである。世界的な石油高の中、慧眼と言えよう。
新・国民民主党

(画像:「新・国民民主党」公式サイトより)

 選挙前、私は6~8議席の維持ができれば御の字と考えていた。ところが予想を上回る11議席。共産党を上回った。「同盟国」である日本維新の会41人と合わせれば52人。予算関連法案(予算を伴う法案)を提出する権利がある。一大勢力だ。  泉健太代表に替わり、立憲民主党が持ち直すのかどうか。しかし、路線対立が激化して分裂もありうる。日本維新の会は「一度でも立憲民主党にいた人間を許さない」と敵視、純化路線をとっているので、仮に立民が分裂解党のような事態になったら、国民民主党への大量入党もありうる。多くの議員は脅迫されて立憲民主党に入ったような議員ばかりなのだから。

来年夏の参議院選挙は日本の運命を決める

 当面は維新との連携を深め、「自民・公明」「立憲・共産」に対する第三勢力として動くだろう。もはや自公政権が当事者能力を無くしている以上、維新と国民の役割は大きい。自公政権は「18歳以下の子供への現金給付」を「半分はクーポン券で配る」などと言い出した。余計に事務費がかかるが。こういう点を指摘していけば、国民の支持は集まるだろう。  民主制において、三つ目の政党が必要かどうかはともかく、最低でも二つの選択肢が無ければ投票に行く意味がない。今、日本国民はようやく「マトモな野党第一党」を持てそうだ。  来年夏の参議院選挙は日本の運命を決める。  それまで目が離せない。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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