更新日:2019年08月01日 22:53
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“安倍応援団商売”は戦時中の東條御用言論とそっくり――倉山満

言論ストロングスタイル

無策でアメリカと開戦して日本を敗戦国にした東條英機と消費増税で国民を飢えさせようとしている安倍首相。デフレ脱却前の増税と対米開戦。歴史は繰り返すのか?(写真/時事通信社)

読者よ、怒れ! 鉄槌を下す相手は、安倍内閣だ!

 木っ端役人根性が抜けない小物が総理大臣になれば、国民は地獄に落とされる。  生真面目な働き者で周囲に思いやりのある好人物だが、子供じみた威張りん坊。ちょこまかと動き回る割に仕事が片付いていないどころか、状況が悪化している。目先の細かいことには気づくが、大局観ゼロ。  お勉強はそれなりにできるが根本的に教養と判断力がないので、単なる悪口と真っ当な批判の区別がつかない。耳が痛いことを言う人間を遠ざけるだけならマシなほうで、一度でも敵と認定したら抹殺するまで許さない執念深さ。結果的に周囲には阿諛追従の茶坊主しか残らない。  ついでに言うと、姑と折り合いの悪い目立ちたがり屋の嫁が、国民に反感を撒き散らす。  読者諸氏は誰のことを思い浮かべただろうか。私は、東條英機のことを言っているのである。言うまでもなく、大日本帝国を破滅に叩き落した愚かな総理大臣のことだ。別に、現在の安倍晋三首相のことを批判したつもりはないが、思い当たる節があるなら関係者一同猛省せよ。  10月15日、安倍首相は早々と来年10月1日からの消費増税10%を閣議決定した。「景気が悪くならないように、十分な対策もする」とのことだ。礼儀を失しないよう、これ以上は選びようがないほど言葉に気をつけて表現したい。  正気か?  景気が悪くなるなら、最初から増税などしなければよいではないか。本連載でも一再ならず、デフレ脱却前の増税の不可を説いてきた。別に未来永劫、いかなる増税もするなとは言っていない。景気回復前には、やめろ!と言っているだけだ。ところが「今やらなくて、いつ増税ができるのか」との声が多数派だ。日本には、増税をしてもらわねば困る勢力がいるらしい。戦前の対米開戦論者の如く。  増税論の大義名分を聞いてみると、財政赤字の解消と少子高齢化対策で福祉予算が必要とのことだ。しかし、福祉で支出するなら、赤字は減らないではないか。意味がわからない。  安倍首相は昨年の総選挙の時から「延期はしない。消費増税をやり抜く」と宣言していた。今回の決定は、予定の行動であり、決心の表明だ。  ちなみに、昨年の総選挙以来、消費増税の税収を財源に、教育無償化に充てるとして予算編成を行っている。安倍首相にとって、改憲による教育無償化を掲げる維新の党の協力を取りつけるために、消費税増税が必要なのだ。再び言葉を最大限選んで申し上げよう。  舐めてんのか!?  安倍首相の言う通りにしたら、福祉に増税分の税収が回らない。年々増大する社会保障の財源とするために消費税を導入、3→5→8と税率を上げ続けたのだが、これでは近い将来に10%からさらに引き上げねばならないではないか。既に霞が関では、12だの17だの25だのという数字が飛び交っている。10%が最後の増税だなどと、誰も言っていないのだ。
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税率を上げても、税収が上がるとは限らない
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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